関脇だった昨年九月場所で初優勝し、ワンチャンスをモノにして大関に昇進した正代は日の出の勢いだった。新大関場所も優勝の本命と見る向きも多く、このまま一気に綱を張るのではないかというムードすら漂っていた。しかし、大関デビュー場所は初日から白星を積み上げていったものの薄氷を踏む勝利が続き、それがもとで左足首を負傷。無念の休場を余儀なくされ、優勝候補が一転してカド番の窮地に立たされることになった。