「楽しく、心地よく過ごしてもらえる場所に」新卒で外コン⇒ストリッパーへ転身した女性が語る劇場の魅力
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 最盛期には全国に300館以上が存在したというが、今やその数は減少の一途をたどっているストリップ劇場。現在公開中の映画『彼女は夢で踊る』でも、閉館が迫る老舗のストリップ劇場で最後のステージを飾るストリッパーと、過去の華やかな時代に思いを馳せる主人公の劇場社長の姿が描かれるなど、人々の心の中では、どこか“懐しい存在”になりつつあるようだ。

・【映像】外資大手から転身したストリッパー

 しかし、そんなストリップの世界に新たに飛び込む人たちもいる。1970年にオープンした老舗・渋谷道頓堀劇場(東京・渋谷)の舞台で艶やかに舞い、客席を魅了する宇佐美なつさん(27)もその一人だ。

 大手外資系コンサルティング企業の新卒社員だった宇佐美さんは、ある日ストリップのステージを偶然目にする。「飲み会に行く前にちょっと時間があったので、友人と“行ってみようよ”という感じで。下世話な好奇心で足を踏み入れたが、本当に衝撃的だった。お客さんの、温かく見守っている雰囲気だったり、踊り子さんの綺麗さだったり。感動した」。

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 その日を境にストリップにハマってしまった宇佐美さんは、仕事帰りに劇場に足しげく通うようになり、3年後、ついに自ら舞台に立つ決意をする。「最初は憧れの対象、鑑賞の対象だったが、段々と自分の身体にリンクしていく感覚というか。ステージに立ってみたいという気持ちになっていった。“10年後はこんなふうになっているんだろうな”と、社内での将来像が想像できるようになってきていて、なんとなく先の見えない、もっと刺激的な日々を送りたいなという思いもあった。初舞台の緊張は全くなかった。練習も結構していたし、むしろ“見て!”という感じだった」。

 最近では女性客や、ストリッパーを志望する人も増えているという。「私が通い始めた頃の劇場には女性がほとんどいなくて、他のお客さんとすれ違うだけで二度見されるような感じだったが、徐々に女性のお客さんも増えてきて、今では決して特異な存在ではなくなっている。踊り子たちのプロフィールについてあまり詳しいことは言えないが、私と同じように会社員からという方もいれば、学生の頃に飛び込んだという人もいる」。

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 ストリップ劇場未経験の人に向け、宇佐美さんは「やっぱり自分のショーはテーマ、振付け、衣装などを自由に選ぶことができる、いわば自分だけがプロデュースする空間。表現の場として楽しい。そして、アイドルとお客さんの関係に近いと思う。私にも顔と名前が一致している常連さんがたくさんいるし、そういう方々が客席にいると、こっちも安心するし、嬉しい。アート、エンタメという側面を見に来てもらってもいいし、もちろん下心、エロい気持ちで来ていただいても構わない。むしろそういう気持ちは持ってきていただきたいなと思っている。みなさんが楽しく、心地よく過ごしてもらえたら。ぜひ一度来ていただきたい」と語りかけた。

 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「スケベなおじさんがかぶりつきでジーっと見ているようなイメージしかなかったが、一度見にいってみたいなという気持ちが湧いてきた」、慶應大学特の若新雄純任准教授も「高偏差値の人やきらびやかなキャリアのある人は“エロじゃなくてアートなんじゃないか”など、いかにも高い価値があるように言いたがるが、エロに興味があるかどうかは偏差値やキャリアとは関係ない。高尚なものにしすぎなくていい、という宇佐美さんのコメントは素敵だ」とコメントしていた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

外資大手から転身したストリッパー
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