静かに淡々と語る中にも、悔しさと決意が滲んだ。プロ将棋界の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」に、前回大会に続いてリーダー棋士として参戦する豊島将之竜王(叡王、30)。第3回大会は、気心の知れた後輩2人を連れてチームを作ったが、豊島竜王自身の結果もふるわず、まさかの予選敗退となった。「チーム戦が初めてということで楽しくやれたんですけど、予選落ちということで、そこはちょっと残念でした」。最高峰タイトル保持者、そして二冠保持者として、今度こそ団体戦で結果を出す。

【動画】ドラフトについて語る豊島将之竜王

 第3回大会は、佐々木勇気七段(26)、斎藤明日斗四段(22)を指名。竜王奪取となったシリーズに、応援に駆けつけてくれた縁から結成されただけに、チームワークは抜群だったが、大会では勝負所で星を落とすことが相次ぐと、最後は豊島竜王が三浦弘行九段(47)と予選突破をかけた一局を戦うことに。熱戦ながらも敗れ、痛恨の予選敗退。「最後の方とか時間が残り2分、1分になってからは、結構焦ってしまって、もうちょっと落ち着いて指せばよかったです」と悔やんだ。

 ただ、この団体戦での悔しい思いが、後の公式戦での活躍にもつながったという自負がある。「普段の対局とは全然違う雰囲気で、楽しい時間を過ごせたというか。そのあと将棋の調子もよくなって、叡王戦の挑戦を決めたりできましたし、いい刺激があったのかなと思います」と、持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算という特殊なルールを、3人集まって真剣に戦ったことで、いつもは使わない部分を活性化することに成功した。

 今回は、楽しさに加えて、結果も残したい。ドラフトの構想を聞かれると、「若手というか、若手から同世代ぐらいの方を中心に考えています」と素直に答えた。「何人か考えている人はいるんですけど、1巡目で指名して、かぶってまた別の人になったりとかしたら、また2人目を選ぶのも難しい」と、超トップ棋士もこのドラフトだけは手を焼く。それでも今回は重複の可能性にもひるまず「(くじは)1回は経験してみたいですね。今回は割とくじ引きになりそうな人に行こうかと思うので」と、勝負に出る。

 最後に意気込みを聞かれた豊島竜王は「楽しく指せるチームがいい。自分の成績が前回あまりよくなかったので、そこを改善して、予選をまず抜けられるようにしたいです」と、大きな事は言わず、前回果たせなかった本戦出場を目指す。ただ、豊島竜王はそういう地道なステップを踏んで、公式戦ではタイトルをつかんできた。難関のブロック予選を通過すれば、目標はあっという間に上方修正される。

◆第4回ABEMAトーナメント 前回までは「AbemaTVトーナメント」として開催。第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦になった。チームはドラフト会議により決定。リーダー棋士が2人ずつ順番に指名、重複した場合はくじ引きで決定する。第3回は12チームが参加し永瀬拓矢王座、藤井聡太王位・棋聖、増田康宏六段のチームが優勝、賞金1000万円を獲得した。第4回は全15チームが参加。14チームは前年同様にドラフトで決定。15チーム目はドラフトから漏れた棋士によるトーナメントを開催、上位3人がチームを結成する。対局のルールは持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チーム同士の対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負に変更された。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。

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