将棋の名人戦七番勝負第1局が4月7、8日に東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で行われ、挑戦者の斎藤慎太郎八段(27)が渡辺明名人(棋王、王将、36)に179手で勝利した。斎藤八段は、名人戦初登場で開幕局から初勝利。敗色濃厚の局面から、驚異的な粘りで大きな白星発進となった。
【中継】名人戦七番勝負第一局2日目渡辺明名人 対 斎藤慎太郎八段
相矢倉の出だしから、相手の出方を見合う展開で1日目が終了。千日手も考えられる中、2日目に入っても拮抗した局面のまま、進行していった。渡辺名人の穴熊が堅く、徐々にペースを握られた斎藤八段は、終盤でも敗勢というところまで追い詰められたが、諦めずに粘りの手を繰り返すと、最終盤で逆転の活路を見出すことに。両者9時間の持ち時間を使い切り、1分将棋に入った後でも、再逆転は許さない集中力を維持し、“現役最強”と言われる渡辺名人に先勝した。
対局後、斎藤八段は1日目について「結構持ち時間も使ってしまっていたので(千日手は)なんとか打開しようと、2日目に入る時は思っていました」と振り返ると、「ちょっと序盤が打開しきれなかった将棋になってしまったので、課題が多かったと思っています。(終盤は)粘れたのかなというか…少し嫌味を残しつつ指せました」と語った。また、初の持ち時間9時間・2日制については「持ち時間が長いようで指しているとあっという間のような気もしていました。(2局目に向けて)本局は序盤の失敗を感じましたので、次の対局では序盤の作戦を練り直さないといけないなと思っています」と、勝利に浮かれる様子は見せなかった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)