戦いに没頭するあまりか、失いかけていた感情を、まさかのショック療法で取り戻したかも?プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」に出場するチーム糸谷のリーダー糸谷哲郎八段(32)が、同大会を前にしたチーム企画で、落差54メートルのバンジージャンプに挑戦した。チームメイトの山崎隆之八段(40)のアイディアで、服部慎一郎四段(21)を合わせたチーム3人で次々とバンジージャンプに挑戦したが、最も迫力がある落下ぶりだったのが、巨漢・糸谷八段。その迫力によって本人も「感情が戻ってきて、安心した」と、興奮気味に語った。
このバンジージャンプ、第1回・第3回大会で緊張のあまり、力が出しきれなかったと悔やんだ山崎八段が考えたもの。メンタル強化、度胸試しで会場に到着すると、山崎八段、服部四段の順番に飛んでいき、それぞれ強烈な恐怖心を感じながらも、何かをやり遂げた自信を持って帰ってきた。
ラストを務めた糸谷八段だが、棋士の中でもかなり大きな身体の持ち主。この巨体がバンジーで落ちたらどんなことになるのかと、ファンも楽しみ半分、心配半分だったろう。ところが当の本人は準備をしている段階になっても「さすがに怖いっすね…怖いのかな?確かに高いんですけど、感情が無になってきましたね」と、自分の感情に戸惑う様子も見せていた。
そしていよいよ、バンジージャンプ。あえて怖いと言われる足からまっすぐ落下するパターンでトライすると、大きな身体が最下点で思い切りゴムを引き伸ばし、その反動で今度は急上昇。他の2人には見られなかったダイナミックなバンジーとなった。体験後は「バウンドする時が怖いですね。飛ぶ瞬間は結構大丈夫だったんですけど、下に行ってバウンドする瞬間が、自分の体重が重くてビビりました。恐怖心が芽生えてきて、よかった、感情が戻ってきたと安心しました」と、どこかに置き忘れたと自虐していた感情の起伏を取り戻して、笑顔も見せていた。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)