将棋の藤井聡太王位・棋聖(18)が5月17日、叡王戦の本戦トーナメント1回戦で行方尚史九段(47)に80手で勝利した。藤井王位・棋聖は、叡王戦で過去に2度、本戦出場していたがいずれも初戦敗退。8割を超える勝率を誇る天才にとって“鬼門”となっていたが、三度目の正直で次のステップへと進んだ。
【中継】叡王戦 本戦トーナメント 藤井聡太王位・棋聖 対 行方尚史九段
本戦では2度の初戦敗退、昨期は予選で初戦敗退など、数々の連勝記録を作っている藤井王位・棋聖にとっては苦手な方に入る叡王戦だったが、今年は無事に1回戦突破だ。3度目の対戦となった行方九段と矢倉の急戦調の出だしになると、互角の序盤を経由してから中盤以降にじりじりと有利に。桂馬を巧みに使い行方陣の矢倉を攻略すると、終盤には一気に差をつけて快勝を収めた。ABEMAで解説をしていた深浦康市九段(49)も「どこから読めていたんでしょう」と、勝利に結びつける筋を見つけた読みの深さに脱帽していた。
王位、棋聖ではタイトルを取り、竜王戦では毎年本戦に出場。いきなりタイトルに挑戦できない順位戦では40勝1敗という驚異的な成績を収めるなど、各棋戦で勝ちまくっている藤井王位・棋聖にとって、なかなかタイトルに近づけていなかったのがこの叡王戦。今期、段位別予選(八段戦)では師匠・杉本昌隆八段(52)との師弟対決にも勝利するなどして本戦出場。今期、初めて本戦1回戦を突破したことで、タイトル挑戦まではあと3つと近づいた。6月には棋聖、王位と立て続けに防衛戦を控えており、竜王戦でも本戦が始まる。3つ目、4つ目のタイトル獲得に向けて、この叡王戦の戦いぶりもさらに注目されそうだ。
現タイトル保持者は豊島将之叡王(竜王、31)。本戦には藤井王位・棋聖のほか、渡辺明名人(棋王、王将、37)、永瀬拓矢王座(28)と、タイトルホルダーが全員集合している。
(ABEMA/将棋チャンネルより)