将棋の名人戦七番勝負の第4局が5月19、20日に長野県上高井郡「緑霞山宿 藤井荘」で行われ、渡辺明名人(棋王、王将、37)が斎藤慎太郎八段(28)に133手で勝利した。終盤に入り、形勢が二転三転する大激戦となったが、最後は詰むや詰まざるやの局面を読み切って勝利。シリーズ成績3勝1敗とし、初防衛に王手をかけた。
【中継】名人戦七番勝負第4局2日目渡辺明名人 対 斎藤慎太郎八段
矢倉の出だしから始まった本局は、1日目は形勢互角のまま斎藤八段が封じ手をして終了。明けて2日目は早々に激しい攻め合いが始まった。中盤以降は渡辺名人がペースを握ったものの、終盤に入ったところで今度は斎藤八段が一気に優勢に。中継していたABEMAによる「SHOGI AI」でも勝率を示すグラフが大きく揺れ動く中、最終盤に入って渡辺名人が再逆転。1手間違えば大逆転という痺れる展開が続いたが、最後は両者9時間の持ち時間を使い切ったところで、渡辺名人がついに即詰みに討ち取った。
対局後、渡辺名人は1分将棋までもつれ込んだことに「スマートな勝ち方ではなくて、読み切った感じではなかったです」と苦しい勝利だったと振り返ると、次局については「来週またすぐあるので、今まで通りしっかり準備をして臨みたいと思います」と述べた。また斎藤八段は「カド番にはなりましたが、気持ちを切らさず前を向いてやっていきたいです」と次局からの巻き返しを誓っていた。
今回のシリーズは第1局を斎藤八段が逆転勝利。第2局、第3局を渡辺名人が快勝を収め、名人位の行く先を決める第4局に注目が集まったが、期待に応えるような熱戦に。渡辺名人は5月28、29日に行われる第5局(神奈川県足柄下郡「ホテル花月園」)に勝利すれば、初の防衛となる。斎藤八段は初名人には3連勝が必要と追い詰められた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)