鋭い攻めも跳ね返す受けの強さから「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つ木村一基九段(47)だが、トークでは後輩を圧倒する攻めっぷりだ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」で、木村九段は佐々木勇気七段(26)、池永天志五段(28)とチームを結成。ベテランと20代の融合で優勝を目指すが、チームワークを高めるために収録された動画では、若手の勢いに押されるどころか、将棋同様に熟練したトーク術で押しまくった。
本来は花見ロケをする動画だったが、当日はあいにくの雨模様。それでも木村九段の口は適度な潤いを得たのか、実に絶好調だった。花見についての思い出を聞かれると、現在では歩きながら桜を楽しむようだが、かつては「集まって飲んでいた。寒いんだよね、意外と。すぐ酔っ払っちゃってアウトになって、次の日ダメになっちゃう」と、失敗談を披露した。
また室内に場所を移してから、花見用のおつまみ試食を始めると、唐突に池永五段に「食レポの腕前が試されるから、何かやってごらん」と無茶ぶり。「いきなり振られると思ってないから慌てるだろうけど、慌てたところを撮る番組ですからねぇ」と、若手を翻弄した。
さらに池永五段が花見の失敗で「奨励会時代に飲みすぎて、稲葉陽八段にタクシーに放り込まれた」というエピソードを出すと、これにも間髪入れず「自分の目の前で具合が悪くなられると困るから、家で具合が悪くなってくれと、タクシーに放り込むっていうのが介抱したフリという手筋」と、ブラックジョークまで飛ばし、最後まで独壇場。この一連のやり取りには、動画の視聴者も大ウケといった様子で、本戦への期待をさらに膨らませていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)