先場所は西前頭ニ枚目で2大関を撃破して10勝。おっつけが評価され初の三賞となる技能賞を獲得した若隆景だったが番付運悪く、新三役昇進は果たせずに今場所はわずか半枚上がっただけの東前頭筆頭に留め置かれた。
それでも先場所の活躍がフロックではないことを証明してみせた。ニ日目は右からの強烈なおっつけで大関正代を押し込むと、そのまま休まずに右を深く差して寄り切り。翌三日目の朝乃山戦は右四つに組み止められたものの左上手を引いて頭をつけ、最後まで大関に左上手を与えず下からの攻めが奏功し、先場所に続いて2人の大関を破った。
体重127キロと幕内では4番目の軽量ながら、持ち前のしぶとさと稽古で磨き上げた左右のおっつけで上位陣と次々となぎ倒す相撲は痛快ですらある。祖父で1950年代に幕内で活躍した元小結若葉山も技能相撲として名を馳せ、特に足取りは“名人”と言われるほどの得意技だった。
そんな相撲巧者も唯一の三賞は1951年(昭和26年)夏場所、照國、東冨士の2横綱から金星を獲って受賞した殊勲賞のみ。技能賞獲得を果たせなかった祖父の無念を孫の若隆景が先場所、晴らした形となった。若葉山はこの場所、8勝をマークして翌場所は新小結に昇進した。
祖父が足取りを決めた相撲を動画で見た若隆景は「相撲がうまいなという印象です」と話す。新三役に再挑戦となった若隆景は今場所も正代、朝乃山の2大関を倒し、十三日目に勝ち越し。「1つの目標です」という新三役も確実にし、来場所は祖父の番付に並ぶことになりそうだ。今場所も2場所連続となる技能賞を獲得。技能相撲は孫にもしっかり受け継がれている。
■Pick Up
・キー局全落ち!“下剋上”西澤由夏アナの「意外すぎる人生」
・現役女子高生の「リアルすぎる日常」をのぞき見
・スポーツコンテンツに適したの“ライブ特化型広告”って何?