藤井聡太王位・棋聖、対局姿勢にも風格アップ 解説棋士「気持ちが態度に見えなくなった」
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 中学生でのプロデビューから、5年近くが経った藤井聡太王位・棋聖(18)。今やタイトル二冠、通算3期の実績で押しも押されもせぬトップ棋士の仲間入りを果たしている。タイトル戦での和服姿も板についてきたと言われ始めているが、棋士の間でも変化が見て取れているのが、その対局姿勢だ。7月10日に行われた竜王戦挑戦者決定トーナメント、山崎隆之八段(40)との一戦でも、風格すら漂う姿に解説棋士からも「気持ちが態度に見えなくなった」との指摘があった。

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 史上最年少14歳2カ月でプロになった藤井王位・棋聖だが、さすがに当時はまだあどけなさがあった。劣勢になれば露骨にうなだれ、さらに自分のミスに気づいた時には一度、自分の膝をパンと大きな音がするほど叩いたことは、今でも語り草になっている。また、重要な局面になるほど盤に向かって前傾姿勢が深くなり、放送対局でも自が見えなくなるようなことは頻繁にあった。

 それがもうすぐ19歳を迎える年齢、さらにはタイトルホルダーの自覚からか、そこまで態度として現れなくなった。最近よく出るのは、ハンカチを目に当てて局面の考え込む仕草だが、これは特に形勢の優劣には関係がない。

 10日の対局を解説していた千葉幸生七段(42)も、この変化には気づいている。「藤井さんは、デビュー1年ぐらいの間は苦しくなったらガックリしたり膝を叩いたりしていましたけど、いつの間にか気持ちを態度に出すのは相当見なくなった。本当に投了する直前に、気配がわかるようなことはありますけど」と、違いを分析。中継を見ていた視聴者からも「中学生だったからね」「深浦さんに初めて負けた時はがっくしだった」など、当時を思い起こすコメントも見られた。

 藤井王位・棋聖の様子でまだ見られるものといえば、自分の勝利を確信した時に出ると言われる通称「すーん」だ。渡辺明名人(棋王、王将、37)の妻・伊奈めぐみによる漫画「将棋の渡辺くん」で登場したものからファンにもおなじみになった。前傾していた姿勢が真っ直ぐに戻り、静かにその時を待つような様子を見た対戦者は、自分の負けを覚悟しないといけないという恐怖の姿勢とも言えるだろう。

 若者らしい態度から、強者らしい態度へ。盤に向かっている藤井王位・棋聖を横からの視点で見るだけでも、まだまだ楽しめるポイントがいくつもある。

ABEMA/将棋チャンネルより)

第34期 竜王戦 決勝トーナメント 藤井聡太王位・棋聖 対 山崎隆之八段
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お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負 第二局1日目 藤井聡太王位 対 豊島将之竜王
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