【米大リーグ】タイガース2-8エンゼルス(8月17日・日本時間18日 デトロイト/コメリカ・パーク)
大谷翔平投手が「1番・DH」で先発出場したタイガース戦で、エンゼルスの5番・マーシュが放ったホームラン性の打球に観客が触れてしまい、ツーベースと判定される場面があった。ルーキーのマーシュにとってはメジャー初アーチなるかという場面だっただけに、エンゼルスのマドン監督は審判に抗議するも判定は覆らず。ファンからは初アーチが幻となったマーシュへの同情の声が相次いだほか、試合の行方を左右しかねない観客の軽率な振る舞いへの批判も寄せられた。
“幻のアーチ”が生まれたのは2対2の同点で迎えた7回、2死走者なしの場面だった。7月にメジャーデビューを果たし、エンゼルスのトッププロスペクト(若手有望株)として期待を集めるマーシュが、右中間に大きな当たりを放つ。するとボールの着弾点付近の外野席に座っていたタイガースファンの男性が、フェンスの前に両手を出してキャッチを試みるも失敗。ボールはフェアグラウンドに落下し、三塁まで進んでいたマーシュは審判のジャッジを待つことになった。
スタンドまで届くか否かという打球に触れてグラウンドに落としてしまった自身の「やらかし」を理解し、気まずそうに頭を抱える男性がたびたび現地映像に抜かれる中、審判団は協議の結果ツーベースを宣告。この判定に納得がいかないマドン監督はベンチを飛び出して審判に抗議した。審判団はモニタールームと繋いで再度リプレー検証を行うも、記録はツーベースのままで覆らず。記念すべきメジャー第1号が幻に終わったマーシュは、二塁ベース上で「仕方ないさ」といったような笑顔を浮かべた。
この判定にどこかホッとしたような表情を見せたタイガースファンの男性に対して、ファンからは「気持ちはわかる」「バツの悪そうなおじさん笑」「晒し者に…」「もう許してあげて」などの声が上がる一方、「なにわろてんねん」「子供なら許されるけど」「退場させろ」といった厳しい批判の声も相次いだ。
また仮に初アーチならチームを救う貴重な勝ち越し弾だったこともあり、「可哀想すぎる」「マーシュ優しい笑顔」「いいやつだな」「マーシュ報われてくれ」などマーシュへの同情の声も。ABEMAの中継で実況を務めた節丸裕一アナは、2003年にカブスがナ・リーグ優勝を逃すきっかけとなった「スティーブ・バートマン事件」の捕球妨害を引き合いに出しつつ、「手を出したくなる気持ちもわかるんですけども『やめてください』としか言えないですよね」としみじみコメントしていた。(ABEMA『SPORTSチャンネル』)