男性が亡くなったことを知った翌日、遺書の中に自分宛のメッセージがあることを知ったあさのさん。男性を発見した共通の友人にメッセージのことを聞くために会い、亡くなった経緯や現場の様子を聞き、遺書を見せてもらったという。
「他の人に向けても遺書を書いていたが、彼は死ぬことについて謝り倒していた。こういう気持ちで消えていくんだなということが強烈に残ったが、同じような苦しみを持っている人に“私は何ができるんだろう”とか、“どんな言葉を掛けられるんだろう”ということを繰り返し考えるきっかけにもなった。私に対しては感謝の言葉もたくさん述べてくれていた。元彼だったので複雑な思いはあったが、温かい言葉が嬉しかった。遺書を遺してくれて良かったなと思う」。
男性の遺品の整理にも参加した。それでも、男性が亡くなったと受け止められるようになるまでには、年単位の時間がかかると感じたと話す。
「私が友人を亡くしたことを同僚は知らないので、仕事場では明るく振舞い、感情にギュッと蓋をして暮らしていた。すごく苦しかった。でも遺品整理の場では急に泣き出したりとか、寂しいという話を突然したりしても、みんなが同じ痛みを抱えているので、受け入れてくれる。遺品整理というのは辛い行為ではないかと思われるかもしれないが、生前の彼の話をしながら片付けることが、私にとっては癒しになった。それでも彼の匂いがするようなものをゴミ袋に入れて運ぶ作業の中では、ハッと我に返ることもあった。そういう時、これは家族にはさせられないことだなと思った」。
男性が残した大量の日記やメモにはうつ病の症状が進行していく様子も

