将棋の王座戦五番勝負の第1局が9月1日に行われ、木村一基九段(48)が永瀬拓矢王座(28)に128手で勝利した。過去の対戦でも3勝3敗という互角の両者は、序盤から激しい戦いを繰り広げたが、夜戦に入ってから木村九段が逆転。最終盤では、一瞬永瀬王座が再逆転したかに見えた局面もあったが、2年前には最年長での初タイトルを獲得した「中年の星」が、2つ目のタイトルに向けて貴重な白星を手にした。
【中継】王座戦 五番勝負 第一局 永瀬拓矢王座 対 木村一基九段
粘り強さ、受けの強さに定評がある両者の対戦だったが、序盤にペースを握ったのは永瀬王座。先手番から角換わりを選択すると、午前中だけで79手目まで進む超ハイペースの将棋に。早々に決着がつくこともあるのではという声も出ていた。
それでも、どちらも長時間での粘り合いも望むところといった将棋体力の持ち主でもあり、午後に入ると一気にペースダウン。夜戦に向けて一手一手ねじり合う戦いとなった。終盤に入ったところでも永瀬王座のペースと思われていたが、ずっと耐えていた木村九段が一気に逆転。最後は危うい場面もあったものの、持ち時間に少し余裕があったことが活きたか、なんとか振り切った。
対局後、木村九段は「苦しいと思っていたんですけど、9九角がいい形で入ったので、運がよかったです」と、静かに振り返っていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)