このポジションの層を厚くしなければいけない

日本代表がアジア最終予選では見つけたチームの最適解[4-3-3]のシステム。田中碧がゴールを決めたオーストラリア戦から採用されると、グループ最大のライバルに勝利を挙げることに成功している。以後、このシステムは日本の基本システムとなった。

しかし、このフォーメーションは強力な反面、中心となる人物を欠くことになると、一気にクオリティが落ちることになる。システムは変えずメンバーを大幅に変えて臨んだベトナム戦では機能しなかったのがその証拠である。

その中心人物とは遠藤航、田中碧、守田英正の3人だ。彼らの攻守両面に渡る貢献度は素晴らしく、特に田中と守田は様々なポジションに顔を出す。だが、彼らの代役とされる人物がまだ見つかっておらず、ワールドカップ・カタール大会までの約6カ月でそのプレイヤーを探すことが急務になっている。

有力候補は原口元気だ。浦和レッズ時代はドリブラーの印象が強かった彼だが、ドイツで長くプレイすることでスタイルに変化が見られた。それがインサイドハーフへの転向である。所属クラブのウニオン・ベルリンではもっぱらそのポジションでプレイしており、日本代表でも中盤での起用が期待されている。しかし、あまりチャンスは与えられておらず、6月の計4試合でどこまでチームにフィットできるかが重要になる。

もし、フィットできないとなれば代表としては苦しい。中盤は他のプレイヤーとして柴崎岳が招集された。パスを武器に攻撃で輝ける選手であり、アジア最終予選では常に招集されている。しかし、不用意なミスや守備強度の物足りなさもあり、田中らが台頭した終盤は出番を与えられていない。柴崎がこのまま信頼を得られるパフォーマンスを披露できなければ中盤の控えとして計算できる選手が原口のみとなってしまう。W杯本選では短い期間にグループステージ3試合を行うことになっており、彼の働きが重要になる。

川辺駿や森岡亮太など招集が期待された実力者は今回呼ばれていない。[4-3-3]はインサイドハーフ2枚がどれだけバランスをとれるかが重要であり、原口、柴崎らの活躍に期待だ。