サプライズ招集が議論の対象に

オランダ代表の監督に復帰したルイ・ファン・ハールは独特な哲学を持つ人物でもある。今月13日に発表したオランダ代表メンバーも、国内で大いに議論を呼んでいるのだ。

オランダは6月にUEFAネーションズリーグでベルギー、ウェールズ、ポーランドと対戦する予定になっているのだが、ファン・ハールのチョイスではいくつか気になるところがある。

最も注目を集めたのは、メキシコのモンテレイでプレイする27歳のFWフィンセント・ヤンセンを招集したことだ。2017年を最後に代表から離れていたヤンセンは、今季もメキシコ国内リーグで3得点と大きな結果を残していたわけではない。これは完全なるサプライズだった。

最終ラインでは、オランダ国内のAZでプレイする30歳DFブルーノ・マルティンス・インディも復帰。こちらもヤンセンと同じく2017年を最後に代表を離れており、同年にイングランドのストーク・シティに完全移籍してからは苦い時間も味わってきた選手だ。

マルティンス・インディは2014年のワールドカップ・ブラジル大会では主力を務めており、そのときチームを指揮していたのはファン・ハールだった。そこには特別な信頼があるのか、今回もメンバーに含めることになった。

中盤ではパリ・サンジェルマンで満足なシーズンを過ごせていないMFジョルジニオ・ワイナルドゥムがメンバーから外れているが、オランダ『Soccernews』によればこの判断も国内では議論を呼んでいるという。

数名離脱者が出たこともあるが、中盤では代わりにA代表歴のないボローニャMFイェルディ・スハウテン(25)を招集。まだワールドカップ本番までは時間があるため、ファン・ハールも人材をテストしていく考えなのだろう。これが最終案というわけではない。

しかし、同メディアのアンケートでは実に89%の人が今回の選考に疑問があると答えている。ネーションズリーグは本気の戦いであると同時に、ワールドカップへの準備期間でもある。テスト色の強い選考だが、サポーターの中には納得できない人も多かったか。ファン・ハールの選考は今後も注目を集めていくことになりそうだ。