キリンチャレンジカップ2022が6月2日に行われ、日本代表がパラグアイ代表を4-1で下した。同試合にスタメンで出場し、得点も挙げたFW浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)が、試合を振り返った。
浅野はセンターフォワードの位置で相手の最終ラインと駆け引きし、持ち前のスピードを活かしてチャンスを創出した。長く代表に招集されているだけあって、「チームのみんなは自分の特徴をわかってくれていると思うので」と話す。意識したのは「味方が持った時のスペースへの抜け出し」と「守備時のチームへの献身性」。「そこは全力でやろうと試合前から思って入りました」と、自身の特徴を出し切るイメージはできていたという。
持ち前のスピードが発揮されたのは36分に生まれた先制ゴールの場面だ。原口元気(ウニオン・ベルリン/ドイツ)のスルーパスに抜け出したシーンは「自分の間合いだった」と振り返る。「選択肢がある中で、GKの位置を見て浮かす選択肢を取ったので、落ち着いていたというのが率直な感想」と話しつつ、「入るかどうかは五分五分の確率だったと思うので、入ってよかったです」と安堵感を口にした。
得点シーンについては、裏への抜け出しは勿論のこと、伊藤洋輝(シュトゥットガルト/ドイツ)からのロングフィードを収めたシーンも際立っていた。浅野は「何気ないプレーかもしれないけど」と前置きしつつも、「ああいうところで体を張るプレーは海外で1つ成長したプレー。ああいったプレーがゴールにつながることを、今日改めて感じることができたので」と自信を見せた。「だからこそ、サボることはできないです。そこは今の代表にとって重要になるプレーの1つだと思うので、アピールにつながったところなのかな」。チームの中で自らに求められる役割を果たしたのだろう。
パラグアイとの一戦を終えた日本代表は、6日にブラジル代表と対戦する。「自分たちがより高いレベルを求めてやっていくことが一番かなと思います」と話す浅野にとって、“サッカー王国”ブラジルとの一戦は個人とチームの力をぶつける絶好の機会だ。「自分たちがやれることを確認しながら、そのためには全力でプレーし続けていくしかないので、そこが大事かなと思います」と、ブラジル戦に向けて意気込み。この試合は前半のみでベンチに下がったものの、「コンディション的なところもあって」と話しており、次戦に向けても問題はないようだ。
前回の2018FIFAワールドカップロシアでは、直前で最終登録メンバーから外れた。森保一監督体制となってからは定期的に代表に招集されているが、「まだまだ僕の実力だと、今日の試合で抜け出したどころか、みんなに追いつく、追い越さないといけない立場だと思うので」と、“サバイバル”に向けて気を緩めることはない。「この4試合にすべてを懸けるつもりですが、その後の準備も含めて、自分のやるべきことをコツコツやらないといけないかなという感じです」と、冷静に自身の“やるべきこと”にフォーカスしている。「また明日からW杯へいい準備をし続けていくだけかなと思います」と述べ、浅野は今後も“らしさ”を武器に本大会に向けてアピールを続ける。