カタール大会は優勝候補の一角に挙げられる
日本代表が6日に国立競技場で対戦するブラジル代表。ワールドカップ・カタール大会に向けた南米予選はリオネル・メッシ擁するアルゼンチン代表を退けて1位通過しており、3月に発表されたFIFAランキングでは1位となっている。
W杯では1994年のアメリカ大会優勝、1998年のフランス大会で準優勝、2002年の日韓大会で優勝と近年ではこの3大会での成績が最も優れている。その後はベスト8、ベスト4であり、直近のロシア大会は日本代表を倒したベルギー代表に敗れている。
ブラジル代表といえば人材豊富な攻撃陣にスポットライトが当たる。特に今季はレアル・マドリードでヴィニシウス・ジュニオールとロドリゴが一皮むけた存在になり、チームをけん引。CLではリヴァプールを破り、ビッグイヤーを獲得している。直近の韓国戦ではヴィニシウスは途中出場、ロドリゴは起用されておらずこのレアルコンビが日本戦でピッチに立つと予想できる。特にヴィニシウスはスピード、テクニック、得点力とアタッカーに必要な多くの能力がずば抜けており、対峙すると予想される長友佑都はどこまで食い下がることができるのだろうか。
ヴィニシウスやネイマール、ハフィーニャと派手さが目立つブラジル代表のFW陣だが、MFは堅実な守備的MFが揃う。韓国戦ではカゼミロとフレッジのコンビだった。カゼミロが中盤の底でどっしり構えてバランスを取り、運動量が豊富なフレッジがプレッシングを仕掛ける。両者ともにボール奪取を得意としており、奪われれば一気に派手な前線にボールをつながれてしまう。韓国戦ではベンチスタートだったが、ファビーニョはカゼミロに並ぶ世界最高のアンカーだ。カゼミロ、フレッジ同様にボール奪取が上手く、そこからの展開力も抜群だ。リヴァプールでは今季8ゴールを奪うなど得点力があり、ポジショニングもいい。ポジショニング一つでビルドアップを助け、相手の攻撃を封じる。韓国戦ではベンチスタートであり、彼が日本戦でフレッジとコンビを組むことになるか。
中盤同様に最終ラインは守備職人揃いであり、センターバックの選手層は世界でも屈指のものを持っている。37歳のチアゴ・シウバは成長を続ける鉄人だ。身体能力では衰えが見られるが、それを補う判断力が抜群であり、ミスをすることがめったにない。シウバの相方を務めるのはマルキーニョスとなるだろう。中盤の底でもプレイできるユーティリティ性を持っており、足元でボールを扱う技術が高い。183cmとセンターバックにしては小柄だが、はじき返す力はワールドクラスで、シウバとマルキーニョスコンビを日本は崩す必要がある。
守護神にはアリソン・ベッカーが起用されると予想する。ビルドアップでの貢献度、高いセービング力を両立している数少ない選手で、プレミアナンバーワンGKだ。21-22シーズンはプレミアで20回クリーンシートを記録しており、ゴールデングローブ賞を受賞している。特にセービングに長けており、彼の守るゴールから得点を奪うことができれば大きな自信になるだろう。
カタールで対戦するドイツ代表、スペイン代表と同等の力を持つブラジル代表。貴重なチャンスであり、攻守においてどこまで通用するのか確かめたい。