準々決勝クロアチア戦を前に、ブラジルファンのカルロスさんに聞く

 カタール・ワールドカップ(W杯)が開幕して、初の中日となった12月8日、FIFAファンフェスティバルには世界中から多くのファンが集まっていた。とはいえ、試合日には2万人を超える人が集まるファンフェスティバルも、試合がないことでそこまでの混雑にはなっていなかった。

 2日前にカタールに到着したカルロスさんは、誇らしげにブラジルの名門フラメンゴのユニフォームを着ていた。「W杯の最終盤を見に来たんだ。無事にブラジル代表は勝ち上がってくれそうだし、大会が終わったら6つ目の星を付けられることを期待しているよ」と、笑顔を見せた。

 グループステージで負傷していたFWネイマールも、決勝トーナメント1回戦の韓国代表戦(4-1)に復帰し、PKを決めて自身の復活を祝った。「ネイマールの復帰はチームにとっても重要だよ。彼は攻撃のほとんどのシーンに関わってくるし、彼がいなければより難しくなっていたと思うけれど、彼が復帰したことでチームは機能して、優勝の可能性が高まったと思う」と、10番の復帰が大きな後押しになると語った。

 そして、日本のメディアの取材だと分かると、「日本に感謝したかったんだ!」と切り出した。「日本の試合も見ていたんだけれど、本当に素晴らしい仕事をしてくれた。ブラジルは準々決勝でスペインか、ドイツという強豪と対戦するはずだった。それがクロアチアになった! これもすべて日本のおかげだよ。優勝への道のりが、少し楽になった。日本は本当に良い仕事をしてくれた。さすがジーコが、サッカーを伝えた国だけはあるよ! ジーコはフラメンゴ史上、最も重要な選手であり、日本でもよく知られているんだろう? 日本代表の監督もやっていたからね」と、日本に感謝するとともにクロアチア撃破を確信していた。

 ちなみにブラジルはW杯で2度クロアチアと対戦していて2試合とも勝利している。今回が初めての決勝トーナメントでの対戦になるが、そうした実績もあり、クロアチアを明確な格下と見ているようだ。

 カタールW杯で日本がドイツ代表、スペイン代表を破ったことは世界的に大きな話題となったが、ブラジルのファンにとってはありがたい結果だったようだ。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)