日本代表を率いる森保一監督が、6日に行われたキリンチャレンジカップ2022のブラジル代表戦を振り返った。

 王国を相手に守備陣が奮闘を見せながらも、PKによる1失点で0-1の敗戦。森保監督は、「勝利を目指して戦うということで準備をして試合に臨んだところで、勝てなくて非常に残念です。我慢強く、粘り強く戦いつつ、攻撃の姿勢を忘れないでゴールに向かうことを見せてくれたなかで、結果が伴わず残念に思います。惜しいではダメなのはわかっているつもりです。選手たちが今自分たちでできるベストのことを続けてくれたことは、未来の勝ち点、勝利に積み上げていくものがあります」と試合の感想を述べた。

 11月に開幕するFIFAワールドカップカタール2022のグループステージでは、格上のドイツ、スペインと同居。ブラジル戦と同様の試合展開が予想されるが、森保監督は「もちろん現段階での力の差は認めないといけないですが、戦い方次第では勝ち点を取れる。リーグでは勝ち点を取れる、我慢強く戦えば勝てることができたかもしれない。今のベストを試合にぶつけてチャレンジし、アグレッシブに戦い、我慢強く戦ったことをピッチ上で表現してくれた。ポジティブな評価は持っています」と一定の手応えを示している。

 長友佑都を右サイドバックの先発で起用。試合前には懐疑的な声も多く寄せられたが、35歳は欧州王者のヴィニシウス・ジュニオールに決定的な仕事をさせずに前評判を覆した。森保監督も「我々の戦いの中でのオプションが増えた。強い相手になればなるほど彼の経験が出る。対人の強さはヴィニシウス相手でも互角に戦っていたと思いますし、やはり世界のトップを経験した彼の力は国際大会でレベルが高い中で、世界で戦うのに必要なプレーヤーだということを見せてくれている」と、本戦での活躍に期待を寄せている。

 また、森保監督は、改めて浮き彫りとなった攻撃力という課題にも言及している。

「攻撃に関してはまだまだ選手たちがやれると思っています。三笘(薫)も止められたシーンはありましたけど、1対1で相手を上回ることは見せてくれた。今日経験できたことでよりレベルが上がった相手に対しても自信を持ってくれて、肌感覚でわかったと思いますので、必ずレベルアップしてくれると思います」

「(ワントップの古橋亨梧と前田大然は)数は少なかったが背後への狙いを持ったランニング、チャンスになりかけたシーンもあった。より多くできるようにチームの戦い方のクオリティを上げていければ、彼らはもっと活きると思います。総合的に考えたとき、スピードのある選手、かつ前線での起点の能力も上がっている、守備の貢献もできるということで、チームにとっては武器になっていくという思いで起用しています」

「ボールを奪ってから攻撃で前に運ぶ、プレッシャーを外す部分ではもっともっと上げていかないといけない。ボールを保持しながらも、もっと相手のブロックに入っていけるように、相手を動かしながら攻撃できるように。そのためにも立ち位置であったり、我々がボールを持っている時に守備でプレッシャーをかけられる中、相手の圧力よりも速くいいポジションを取ってボールをつなげるように、攻撃力を上げていきたいです」