まだ日本代表ではチーム全体で活かし切れていない
日本代表のセンターフォワードは長らく大迫勇也が1番手となってきたが、今の森保ジャパンにはいくつか選択肢がある。中でも期待されているのは、今季スコットランドのセルティックで結果を出したFW古橋亨梧だ。
古橋はまだセルティックで1シーズン過ごしただけだが、その評価は極めて高い。現地メディア『Raed Celtic』は「ヘンリク・ラーション以降のセルティック最高のストライカーは誰だ」と題してサポーターにアンケートを取っているのだが、その候補者の中に古橋の名前が含まれている。
今回候補に挙げられたのは、セルティックに在籍していた2011-12シーズンに国内リーグ得点王にも輝いたギャリー・フーパー、セルティックで94戦51ゴールの成績を残し、フランスの名門リヨンへとステップアップしたフランス人FWムサ・デンベレ、昨夏古橋と入れ替わる形でセルティックからイングランドのクリスタル・パレスへとステップアップした24歳のFWオドソンヌ・エドゥアール、そして古橋の4人だ。
凄いのはアンケートの結果だ。サポーターの中で古橋の活躍が最新の記憶になっていることも影響しているだろうが、何と古橋はこのアンケートで第2位となる30%の票を集めている。1番はデンベレで43%、3位がフーパーで23%、最後がエドゥアールで3%となっており、古橋の人気もかなりのものだ。今季のパフォーマンスがそれほど衝撃的だったということだろう。
問題は古橋の能力を代表でどう活かすかだ。6日のブラジル戦では古橋が1トップで起用されたが、ボールに触れる機会すらほとんどなかった。試合前から予想されていたことだが、ブラジルに押し込まれてボールを十分に保持できず、なかなか理想的な攻撃に転じられなかった。
古橋を活かすならばカウンター、あるいはサイドから質の高いクロスボールを送り込むパターンが一般的となるだろうが、ブラジルのような強豪相手にはまともにクロスを放り込むことも難しい。あの伊東純也でさえクロスを上げるのに苦労しており、ブラジル戦では古橋の良さを引き出せなかった。
大迫のようにボールを前線で強引に収めるタイプでもないため、強豪相手に古橋をどう活かすべきなのか悩ましいところだ。ワールドカップ本番ではドイツ、スペインとグループステージで同居しているため、おそらくはブラジル戦同様相手にペースを握られるはず。セルティックのレジェンドであるラーション以降のNo.2FWとまで評価される古橋の個性を何とか引き出したいところだが、ブラジル戦からどう変えていくのか。
5大リーグではないものの、日本にとっては貴重な欧州で結果を出してきたストライカーだ。ワールドカップ本番へ向けて何とか古橋をチームにフィットさせたいところだ。