UEFAネーションズリーグ(UNL)のリーグAグループ4第2節、ウェールズ代表vsオランダ代表が8日に行われ、アウェイのオランダが1-2で勝利した。

5日に行われたカタール・ワールドカップ欧州予選プレーオフ決勝のウクライナ代表戦を1-0で制し、64年ぶり2度目のW杯出場を決めたウェールズ。その興奮冷めやらぬ中で迎えた中2日でのホームゲームではベン・デイビス、ロドン、コナー・ロバーツ、ダニエル・ジェームズを除く先発7人を変更。ベイルやラムジー、ジョー・アレンといった主力が温存され、前線はダニエル・ジェームズ、ブレナン・ジョンソンの2トップとなった。

一方、敵地でグループ本命のベルギー代表相手に4-1の快勝スタートを飾ったオランダは、連勝を狙う敵地での一戦に向けて先発全員を変更。

GKにフレッケン、3バックはティーゼ、デ・フライ、デ・リフト。ウイングバックにハテブール、マラシア。セントラルMFにスハウテン、コープマイネルス。前線はノア・ラングとガクポの2シャドーにヴェグホルストが最前線に入った。

互いに多くのメンバーを入れ替えたことで、攻守両面でややチグハグなところが目立つ試合展開となる。

戦前の予想通り、オランダがボールの主導権を握り、ウェールズがカウンターで応戦する構図が続く。立ち上がりはホームサポーターの声援を後押しに、球際の攻防で優位に立ったウェールズがペースを掴み、ボックス内でフリーのノリントン=デイビスのヘディングシュートやハリー・ウィルソンの直接FKでオランダゴールに迫った。

一方、ボールは握るものの、急造布陣による連携面のミスが目立つオランダは、なかなか良い形でフィニッシュまで持ち込めない。それでも、前半終盤に少しずつ相手陣内深くでのプレーが増えると、相手DFの見事なブロックに阻まれたものの、ボックス中央で仕掛けたガクポが決定機に絡むなど、後半の戦いに繋がる攻撃の形も見せた。

後半も堅い試合展開が予想されたが、意外にも早い時間帯にスコアが動く。50分、相手アタッキングサードで細かくボールを動かしたオランダは、ペナルティアーク右でスハウテンから足元でボールを受けたコープマイネルスが利き足とは逆の右足でシュート。これがゴール左下隅の際どいコースに決まり、アタランタMFは代表7戦目にして待望の初ゴールを決めた。

先に失点を喫したウェールズはすぐさま反撃を開始。ダニエル・ジェームズの果敢な仕掛けを軸に、ハリー・ウィルソンが絡む形でチャンスを窺うが、なかなか決定機まで持ち込めない。

一方、オランダは67分にスハウテン、ガクポを下げてフレンキー・デ・ヨング、ベルフワインの主力2選手を投入し、ここから押し返していく。

その後、ウェールズはマトンドと共に切り札のベイルを投入し、勝負に出る。スタジアムの盛り上がりとは裏腹に攻撃が停滞するホームチームだったが、土壇場で同点に追いつく。92分、相手を押し込んで右サイドのコナー・ロバーツが入れたクロスに対して、ファーでハテブールに競り勝ったノリントン=デイビスの渾身のヘディングシュートがゴール左隅に決まった。

伏兵ノリントン=デイビスの代表初ゴールで劇的同点決着かに思われたが、虎視眈々と勝ち越しのチャンスを狙っていたオランダが最後の最後に突き放す。

94分、自陣左サイドからスタートしたロングカウンターでF・デ・ヨングが馬力のある中央突破をみせ、一気に相手陣内深くまでボールを運ぶ。そして、左サイドでボールを受けたマラシアが入れた正確なクロスを、ボックス中央のヴェグホルストが豪快且つ繊細なダイビングヘッドで合わせ、ゴール左隅に突き刺した。

この直後に試合はタイムアップを迎え、互いに大幅なターンオーバーを敢行した中、地力の差を見せつけたオランダが2連勝を飾った。

主力温存も首位キープに成功したオランダは11日にポーランド代表戦、連敗のウェールズは初勝利を懸けてベルギー戦に臨む。