UAE戦は何とか勝利をもぎ取った
8日に行われたワールドカップカタール大会アジア最終予選・プレイオフでUAE代表を2-1で撃破し、何とかペルー代表が待つ大陸間プレイオフに駒を進めたオーストラリア代表。
今回のアジア最終予選でもサウジアラビア、日本に後れを取ったことからオーストラリア代表の弱体化を指摘する声もあるが、UAE相手に何とか意地を見せることになった。ペルーとの対戦は簡単ではないが、まだ望みを捨てるのは早い。
このUAE戦で興味深かったのは、オーストラリア代表を指揮するグラハム・アーノルドの人選だ。センターラインでは中盤の底からゲームメイクする31歳のベテランMFアーロン・ムーイが復帰。海外経験も豊富なムーイはオーストラリアの主力だったが、アジア最終予選ラスト2試合のVS日本、VSサウジアラビアの2試合は欠場していた。これもオーストラリアにとっては厳しいものだっただろう。
そのムーイはUAE戦で90分間走り続け、チームの勝利に貢献。さらに前線には同じく31歳のマシュー・レッキーがスタメンに抜擢され、終盤まで走り抜いた。レッキーも代表キャップ数70試合を数えるベテランなのだが、今回の最終予選は怪我などもあって4試合にしか出場していない。日本との2試合も欠場していたが、国内のメルボルン・シティFCに戻ってから好調のレッキーを思い切ってスタメンに抜擢したのもヒットだったか。
最終ラインも日本戦とはガラリと変わっていた。センターバックでは23歳のキー・ロールズを抜擢しているが、ロールズは今月1日のヨルダン代表との親善試合で代表デビューしたばかり。その選手をUAE戦でもフル出場させており、これも思い切った判断だ。
相棒を務めたベイリー・ライトもアジア最終予選では1試合しか出場していない選手で、右サイドバックに入った23歳のナサニエル・アトキンソンもアジア最終予選のラストゲームとなったサウジアラビア戦で代表デビューを果たしたばかり。UAE戦が代表2試合目と経験の浅い選手で、なかなか大胆な4バック人選となった。
攻撃面ではドイツのフランクフルトでプレイするFWアルディン・フルスティッチ、ドイツ2部のザンクト・パウリでプレイするMFジャクソン・アーバインがそれぞれ得点を決め、若い選手と経験豊富な選手で何とか勝利をもぎ取った印象だ。
英『The Guardian』は中でもベテランのムーイを高く評価しており、ペルー相手にベテランたちが粘れればチャンスは見えてくるはず。アジア勢として意地を見せられるのか、運命のゲームは13日に迫っている。