4試合が組まれた6月シリーズで、パラグアイ戦、ブラジル戦を終えた日本代表は6月10日、キリンカップサッカーでガーナと対戦。4-1で快勝した。

 山根の先制点、三笘の追加点、久保と前田がそれぞれ代表初ゴール。試合の主導権を握りながら、チャンスを確実にモノにした。自分たちのミスから1失点したとはいえ、それを差し引いても、充実の内容だったね。

 特に山根のゴールは素晴らしかった。久保と堂安のパス交換から、3人目の動きで飛び出した山根がフィニッシュ。こうした連動したコンビネーションを今後も増やしていけば、得点力はさらに上がっていくと思う。

 1得点の三笘は、自慢のドリブルで左サイドを突破して、久保のゴールをアシスト。個の力だけで決定機を演出できるから、やっぱり頼りになる選手。代表でも着実に存在感を高めてきたね。

 代表17試合目にして、待望のゴールを決めた久保も、ひとつ吹っ切れたかもしれない。三笘からの浮き球のラストパスにうまくミートさせた技術も、さすがだった。簡単に合わせているように見えるけど、けっこう難しいシュートだよ、あれは。

 もっとも、得点以外では、そこまで際立つパフォーマンスを見せたわけではなかった。この日は、右ウイングではなくインサイドハーフで出場。プレーによく絡んでいたけど、相手に引っかけられるシーンも少なくなかった。
 
 もちろん、相手のファールもあったけど、中盤で奪われると目立つし、ピンチにつながりやすい。「え、そこで止められちゃうの?」というのが気になった。

 別にコンディションが悪そうには見えない。いろんなことを考えているのか、まだ迷いがあるのか。本領を出し切れていない印象がある。実力の50パーセントぐらいしか出せていないのではないか。サイドより中でのプレーのほうがハマッていると思うけど、本人もしっくりきていないんじゃないかな。

 代表デビューした頃はワクワク感があった。でも、それも徐々になくなりつつある。それはある意味、代表という舞台に慣れてきたからでもあるのだろうけど、あの時の期待感を考えると、今は少し物足りなくも感じる。

 壁にぶち当たっているのか、ここまでの選手なのか。未知な部分があるけど、個人的にはめちゃくちゃ期待している。もっとできるはずだし、日本代表のためにも、もっともっとやってもらわないと。14日のチュニジア戦で出番があるか分からないけど、ピッチに立ったら、さらなる活躍を期待したいね。

【動画】自慢の左足で冷静にフィニッシュ!17試合目で生まれた久保のA代表初ゴールをチェック