チュニジア戦で試すのか
10日にガーナ代表と対戦した日本代表。攻撃的なシステムが功を奏して4-1と快勝しており、14日にチュニジア代表と対戦することが決まった。このゲームではここまでの2試合で起用される機会の少ない選手にスポットライトが当たっており、久保建英は嬉しい代表初ゴールを記録している。
終盤の10分間だけのお試しとなった3バックは気になるところだ。最終ラインは右から板倉滉、谷口彰悟、伊藤洋輝、中盤はダブルボランチで田中碧と柴崎岳、右ウイングバックに伊東純也、左に中山雄太、シャドーに南野拓実と久保建英、最前線に前田大然という布陣だった。システムでいえば[3-4-3]であり、鎌田大地が所属するフランクフルトと同じ並びである。
今後この並びをどこで使うのかは分からないが、今いる代表の人材を考えると3バックは最適なシステムかもしれない。日本のセンターバックは運べて散らせて守備もできる現代的な選手が多い。それこそ伊藤や板倉は所属チームが3バックを採用しており、アーセナルの冨安健洋は守備的な右サイドバックと3バックの右をやらせるなら適任だ。[4-3-3]ではブラジル戦のようにハイプレスをかけられると苦しかったが、[3-4-3]なら最終ラインが3枚となりブラジルのように[4-4-2]で守備をするチームを相手にする際は2トップに対して3人でボールを回せるため都合がいい。
また守備時には5バックになるので、後方の安定感が高まる。伊藤が188cm、板倉が187cm、冨安が188cmとサイズのある選手が揃っており、平均身長187cmの壁が出来上がる。世界的に見ても高い並びであり、空中戦が弱みになることはそうないはずだ。冨安は起用できるか怪しいところだが、吉田麻也は189cmと最も大きく、センターバックに人材が揃う今3バックを導入するのは面白い試みだ。
攻撃時にはセンターフォワードの下にシャドーが2枚並ぶ形となるが、このシャドーを得意とする選手は日本代表に多い。鎌田や南野、久保、堂安あたりがそうで、南野は慣れない左ウイングからこのポジションに移動することになれば評価逆転のチャンスを掴める可能性はある。鎌田、南野の組み合わせが最も魅力的であり、新しい発見があるかもしれない。
ガーナ戦の終盤10分という短い時間で3バックを試した日本代表。森保一監督は「オプションとして持っていた」と試合後に話しており、どうやらアジア最終予選でも採用する考えがあったようだ。結局3バックではなく[4-3-3]を採用しているが、今回はどうするのか。ワールドカップ・カタール大会まではチュニジア戦を含めて残り3試合しかなく、テストするなら14日のチュニジア戦となる。もし試すとなれば面白いゲームとなりそうだ。