今回は招集外となった大迫

6月に予定されていた4試合のテストゲームのうちすでに3試合を消化した日本代表。2勝1敗とまずまずな成績を残しており、勝利したパラグアイ戦とガーナ戦はどちらも4得点でのゴールと攻撃力の高さを見せつけた。

今回の代表期間で新たな発見があったポジションはストライカーだ。森保ジャパンで不動の地位を築いていた大迫勇也が、コンディションが100%ではないことを理由に招集外となった。そこで浅野拓磨、古橋亨梧、前田大然、上田綺世の4人がストライカーとして呼ばれ、熾烈なサバイバルが始まった。

ここまでの3試合で頭一つ抜けたと感じるのは前田だ。先発での起用はゼロだが、3試合すべてで後半からピッチに立った。スプリント力に長けた選手で、途中からピッチに立っても存在感を残すことができる。ストライカーながらDFのような立ち位置であり、相手のビルドアップにプレッシングを仕掛け、プレッシャーを与える。ボールコントロールに難があるように思えるが、ガーナ戦では嬉しい代表初ゴールを記録しており、カタール行きの椅子は確保したか。

次に上田だ。前田ほど評価を高めたわけではないが、ガーナ戦では力強いプレイを見せてくれた。キープ力、空中戦の強さを武器としており、得点はなかったが存在感を残している。浅野、古橋、前田とは異なるタイプのストライカーであり、得点を取りたい場面で上田の力強さは必要になる。怪我でチームから離れてしまったが、ガーナ戦でインパクトは残せたはずだ。

古橋は相手がブラジルということもあって難しいゲームとなったが、得点力、スピードの両方を兼ね備えており、チュニジア戦での先発が期待される。ボックス内での動き出しに長けており、臨むフォーメーションにもよるが鎌田大地や久保建英らとは相性がいいように思える。期待感は最も高く14日のチュニジア戦に期待だ。

浅野はパラグアイ戦で先制ゴールを奪ったが、その後は負傷しており出番がない。スピードという点では前田、古橋と被っており、同タイプの選手が3人ともカタール行きを掴めるとは思えない。前田は終盤に投入されて守備で相手に負担をかけるというアイデンティティを得ており、ライバルは古橋になるか。

大迫は彼らとポジションを争わなければならない。ストライカーの枠は3枠と予想でき、直接的なライバルは上田となるだろう。ボールを収めることができ、ゴールも奪える。タイプが似ており、上田は国内だけでなく代表でも存在感を示すようになってきた。今回は怪我での離脱となったが、本戦は11月で完治しているだろう。そうなった際に今の大迫が上田に勝つことはできるのか。今季のリーグ戦でのゴール数は上田が10点に対し、大迫は1点だ。年齢を重ねるごとにコンディションを整えることが難しくなっており、国内組が中心とされるE-1選手権に呼ばれなければカタール行きは厳しいといえる。