さすがのフランスもヴァラン抜きでは厳しい

レアル・マドリードは何か兆候を見抜いていたのだろうか。今のフランス代表で不安材料となっているのがDFラファエル・ヴァランの負傷である。

ヴァランは昨夏にレアルからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍しており、マンUにとっては大きな補強と考えられた。ところが、ヴァランは今季何度か負傷離脱するなど安定感を欠いた。今月4日にはまた負傷が原因でフランス代表を離れることになり、W杯イヤーに気になる事態だ。

確かにヴァランはレアルに在籍していた2020-21シーズンの終盤に負傷で数試合欠場しているが、特に負傷の多い選手ではなかった。2017-18シーズンも全コンペティション合わせて44試合に出場し、チャンピオンズリーグ制覇にも貢献。

2018-19シーズンと2019-20シーズンも43試合に出場し、2020-21シーズンも41試合には出場していた。世界トップクラスのセンターバックとの評価も得ており、年齢的にもまだトップパフォーマンスを維持できると考えられていたはずだ。

それが今季はハムストリングの負傷などもあり、29試合に出場試合数が減少。一方のレアルはエデル・ミリトンとダビド・アラバの新センターバックコンビがヒットすることになり、結果だけを見ればレアルの補強戦略が正しかったことになる。

スペイン『Tribuna』も今月の負傷がヴァランにとってこの1年で6回目だったと不安視しており、フランス代表にとってもこれは問題だ。他にも優秀なセンターバックはいるが、前回優勝を知るヴァランは最終ラインのリーダーでもある。ヴァランのコンディションがカタール大会本番でも整わないとなれば、さすがのフランスも苦戦を強いられるはず。

果たしてヴァランは新シーズンこそフルコンディションで戦えるのか。まだ29歳と衰える年齢ではないはずで、マンUも新シーズンこそはヴァランを軸に堅い守備を構築しようと考えていることだろう。