復帰なるか

6月のテストゲームも残り1試合となり、14日のチュニジア戦のみとなった。ここまで2勝1敗とまずまずな成績を残しており、3勝でこの代表期間を終えたい。

チュニジアとの最終戦で期待したいのは冨安健洋の復帰だ。21-22シーズンのアーセナルで負傷してしまった冨安は代表に合流しているが、別メニューで調整を続けていた。現在状態は良くなっているようで、既に全体練習に参加しているようだ。無理は禁物だが、ワールドカップ・カタール大会では冨安の力が必要であり、少しでも実戦でのプレイ時間を得たい。

フルタイムではないかもしれないが、チュニジア戦では右サイドバックでの起用を期待したい。代表ではセンターバックだが、クラブではサイドバックを任されている。板倉滉の台頭もあって冨安をセンターバックで起用する必要がなくなっており、新たなオプションを試すのはこのタイミングしかない。

冨安の右サイドバック起用で得られるメリットは安定した守備力とパスの供給源になれるところだ。

対人性能が高い選手で、アーセナルではマンチェスター・シティと対戦した際にラヒーム・スターリングを完封している。188cmの高さもあるため空中戦で弱みとならない。左サイドのサイドバックが高い位置を取れば低めのポジションを取り、カウンターに備える賢さも持っている。

ビルドアップでは果敢に縦パスを狙い、攻撃が停滞すればサイドチェンジでボールを循環させていく。安定感をもたらす存在であり、ドイツ代表やスペイン代表と対戦する際は必ずピッチに立っていてほしい人材だ。

ガーナ戦で試した3バックをチュニジア戦で採用することになれば冨安は3バックの右でピッチに立つことになる。前述した強みが発揮されるポジションであり、冨安の持ち運ぶ技術が試される。ブラジル戦ではビルドアップで苦戦したようにハイプレスへの対策は必須であり、冨安は解決できる技術と賢さを兼ね備えている。

板倉、伊藤洋輝、長友佑都と既に充実している日本代表の最終ライン。森保ジャパンにはさらに冨安という歴代最高クラスといっても過言ではない守備者がおり、チュニジア戦で起用されることになれば最終ラインがより安定するのは間違いないだろう。