【日本 0-3 チュニジア キリンカップサッカー2022】
キリンカップサッカー2022の決勝が14日に行われ、サッカー日本代表はチュニジア代表に0-3の大敗を喫した。
完敗だった。前半こそ0-0で折り返したものの、公式記録で日本のシュートは「0本」。後半にDF吉田麻也のファウルでチュニジア代表にPKを与え、そこから3失点と守備が崩壊した。
「日本代表はプレーが非常に速く、攻撃の際には様々な戦術を駆使してくる。特にサイド攻撃が非常にうまい。こういったことに我々は十分対応するための練習を積んできた」
チュニジア代表を率いるジャレル・カドリ監督は、試合後の記者会見で勝利を誇った。「時間が過ぎるとスペースができるので、そこを突くことを心がけて試合をした」と狙い通りの展開でキリンカップ優勝を果たした。
狙いは明確だった。日本代表の全失点に関与した吉田は、チュニジア代表に狙われていたのである。そこが「弱点」だと。カドリ監督は攻撃のプランについて、次のように語る。
「我々は日本代表をよく研究してきた。守備から攻撃に移るのが非常に速いなど強みはあるが、もし日本に弱点があるとすれば、それは守備であって、ディフェンスは難しい状況に置かれるとミスをする。なので、特にボールをディフェンスラインの裏につけることに注力していた」
実際に、吉田は「難しい状況に置かれ」てミスをした。1失点目につながったPK献上の場面も「シンプルに僕の個人的なミス」と認める。遅れ気味にスライディングにいって、とっさに足は畳んだが、膝で相手選手を倒してしまった。
マンツーマン気味のマークで日本のビルドアップを寸断し、ボールを奪ったらディフェンスラインの背後を狙ってカウンターを仕掛ける。もし最初はうまくいかなくとも、時間が経つにつれて生まれるであろう綻びを突く。チュニジア代表の描いた通りの試合となり、日本代表は完敗した。
「チュニジア代表の強さは、非常に秩序立った守備ができること。これが我々の強さだと思っている。日本は中盤で非常に速いボール回しができる。これを許してはならないので、中盤の試合だったとも言えると思う。そこで我々は中盤で決してスペースを与えないということに留意してきた。中盤で勝ったのは非常に良かったと思う」
監督は公の場で対戦相手に気を遣った発言をすることが多い。だが、今回に限ってはカドリ監督のストレートな指摘がことごとく核心を突いていた。
(取材・文:舩木渉)