チュニジア代表を率いるジャレル・カドリ監督が、14日に行われたキリンカップサッカー2022決勝の日本代表戦を振り返った。

 FIFAワールドカップカタール2022の出場国であるチュニジアは、6月のシリーズでアフリカネーションズカップ2023予選の2試合を戦ってから来日。10日に行われたキリンカップのチリ代表戦ではコンディションが悪いなかでも2-0の勝利を収めた。中3日で迎えた日本戦では、中盤での強度の高い守備を継続し、相手の攻撃を分断。54分にPKで先制すると、76分に相手の連携ミスを突いて2点目を奪取。試合終盤にカウンターでトドメを刺し、3-0の完勝でキリンカップを制した。

 試合後にメディア対応を行ったカドリ監督は、試合を振り返って次のようにコメント。最後まで集中した守りを見せたチュニジアの選手たちの働きぶりを称えた。

「大変いい試合でした。私たちのチームは12日間で4試合という非常に厳しい日程のため疲れていましたが、それでも勝つことができてよかったです。日本は素晴らしいチームで、とりわけ技術面、戦略面が良く、各選手が素早い動きをするが、結果的にチュニジアの方が戦略的にいい作戦で臨めたのではないかと思っています。試合は忍耐を要しました。試合のそれぞれの局面でどうすべきかを選手たちがよくわかっていたことが勝利の理由だと思います」

「チュニジアの強さということでは、このチームは秩序だった守備ができることが強さだと考えています。これに対し、日本は中盤で速いボール回しができるので、それを許してはならないという、中盤での試合だったとも言えると思います。中盤で決してスペースを与えないように留意しました」

 また、「私たちは日本をよく研究した」というカドリ監督は、“日本攻略”のポイントについても語っている。

「日本はプレーが非常速く、特に攻撃時に様々な戦術を駆使してくる。特にサイド攻撃が非常にうまく、それに対応する練習を積んできました。攻撃の深さといったものも日本にあります。しかし、時間が経過するとスペースができる、そこを突くということを心掛けました」

「日本の強いところは、守備から攻撃への切り替えの速さがあるなど。弱点があるとすれば守備。ディフェンスは難しい状況に置かれるとミスをする。特にボールをDFの裏につけるようなことに注意しました」

 カドリ監督はW杯本番に向けてもコメント。「6度目の出場で初めて決勝トーナメントに進出したいというのがまず目標。私たちのグループはフランス、デンマーク、オーストラリアと厳しい組み合わせになっています。その中で、我々の夢である決勝トーナメント進出を今回果たしたいと思っています」とグループステージ突破への意気込みを示した。