サッカー日本代表MF守田英正のビッグクラブ移籍が秒読み段階に入った。

 ポルトガル紙『レコルド』など複数メディアによれば、守田は18日夜にポルトガルの首都リスボンに到着。現地のレポーターが集まり英語で質問を受けたが、何も答えずに空港を後にした。

 今季までポルトガル1部のサンタ・クララでプレーしていた日本代表MFは、メディカルチェックののちに同じリーグの強豪スポルティングCPと正式契約を結ぶ見込みだという。報道によれば移籍金は380万ユーロ(約5億3200万円)で、2026年夏までの4年契約となるようだ。

 スポルティングCPは今季のポルトガル1部リーグでポルトに次ぐ2位につけ、来季はUEFAチャンピオンズリーグ(CL)にグループステージから出場する。昨季はリーグ優勝も果たすなど、ポルトやベンフィカと並んでポルトガルの3強クラブの一角として確固たる地位を築いてきた名門だ。

 来季に向けてポルトガル代表MFジョアン・パリーニャにプレミアリーグ移籍の可能性があり、同国代表MFマテウス・ヌネスも他国のビッグクラブから引く手数多の状況。守田は彼らの後釜としてスポルティングCPの中盤を引っ張る活躍が期待される。

 21日にオンラインで取材に応じた日本代表の森保一監督も「成長し続けている選手だと思いますし、またCL等々、そしてポルトガルでも常勝チームの中でしのぎを削って、成長できる環境にチャレンジすると思いますので、非常に期待しています」と守田のステップアップにエールを送っていた。

 守田は6月の日本代表活動にも招集されていたものの、左ふくらはぎの負傷で途中離脱となり、試合には出場できなかった。それでもカタールワールドカップアジア最終予選で重要な役割を果たし、日本代表の本大会出場に大きく貢献したのは間違いなく、チームに欠かせない選手であることに変わりはない。

 森保監督は「(スポルティングCPは)素晴らしいチームだと思いますけど、レギュラーを獲るという意味では難しい環境になると思います。そこでレギュラーを獲って、また自分自身のサッカー選手としての価値を上げてもらって、日本代表の戦力としてもさらに価値を上げて欲しい。すごく楽しみにしています」とも語り、守田の今後の成長に大きな期待を寄せていた。

 かつてスポルティングCPには元日本代表FW田中順也が在籍していたが、大きなインパクトは残せず1年半で退団を余儀なくされた。守田は目の肥えたサポーターを納得させるパフォーマンスでクラブの歴史に名を刻めるだろうか。

(取材・文:舩木渉)