国内組で臨むE-1選手権。森保ジャパンに名を連ねる23人の顔ぶれは? スポーツニッポン新聞社の飯間健記者に、独断と偏見で選んでもらった。異論は、認める。
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7月13日にE-1選手権に臨む日本代表メンバー23人が発表される。今回は全て国内組。従来の23人から26人に登録が拡大されたカタール・ワールドカップへのラストチャンスとされるが、大枠が固まっている森保ジャパンにおいて新顔が入り込む余地は少ないだろう。
その狭き門をくぐり抜けるには一芸を持っているかどうか。チームとして成立するには『バランサー』が必要だと理解しつつ、今回は“武器”を持っている選手たちを優先的に選出した。
まずCB。吉田麻也(シャルケ)や板倉滉(ボルシアMG)、冨安健洋(アーセナル)と近年稀に見るハイレベルな陣容が揃っているが、菊池流帆(神戸)と荒木隼人(広島)は空中戦ならば海外組にも負けていない。三浦弦太(G大阪)は対人の強さとフィード力を取り戻しつつあり、何よりもスピードがある。
SBは長友佑都(FC東京)、伊藤洋輝(シュツットガルト)、酒井宏樹(浦和)、中山雄太(ズウォーレ)らが軸。特に6月に代表デビューした伊藤のパンチ力あるフィードや高さはエポックメーキングで、冨安はアーセナル同様に右SBへの汎用性も備えている。
もしも、ここに新戦力が入る余地があるならば『仕掛け』ができるかどうか。荒削りだが荻原拓也(京都)の積極性は買いたい。システムの関係上、ウイングバックが主戦場となっているが、高いドリブル成功率を誇る藤井智也(広島)を右SBで起用するのもどうだろうか。
中盤の構成で主眼に置いたのは『FKキッカー』と『左利き』だ。ご存じのように日本代表はセットプレーからの得点が少ない。かつて遠藤保仁(磐田)がよく口にしていた様に、セットプレーはキッカー7割。良いキッカーがいれば得点率は高まる。その意味で原川力(C大阪)と樋口雄太(鹿島)は是非ともトライしてほしい人材だ。
また左利きが少ない陣容から、覚醒した野津田岳人(広島)と高卒新人離れしたメンタルとフィジカルを持つ松木玖生(FC東京)。特に今季アンカーでプレーする野津田は予測の速さもあれば対人も強い。左足から繰り出されるパンチあるミドルシュートも魅力的で、独特の感性やリズムはチームの戦いの幅を拡げるはずだ。
大卒1年目の満田誠(広島)に関しては、香川真司(STVV)や三笘薫(ブライトン)のデビュー時を彷彿させる。視野が広くパスもシュートも精度が高い。醸し出る“何かしそう”という雰囲気を、日の丸の舞台でも見てみたい。
アタッカー陣は『ポストプレー』『突破力』を重視した。6月の代表戦で見えたのは、スピード系だけでは攻撃は手詰まりになること。やはり最前線で身体を張るFWは欲しい。そのなかでは今季J復帰した鈴木優磨(鹿島)、そして規格外のポテンシャルを感じる櫻川ソロモン(千葉)を推す。
両ウイングにはW杯を見据えて三笘と伊東純也(ヘンク)以外で個の突破ができる選手がいれば……という思いから、高いドリブル成功率を誇る金子拓郎(札幌)と相馬勇紀(名古屋)に期待したい。
勝敗は度外視。どれだけ“個”の特長を発揮できるかに注目したい今回のE-1選手権だ。
取材・文●飯間健(スポーツニッポン新聞社)
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