日本サッカー協会(JFA)は13日、EAFF E-1サッカー選手権決勝大会に臨むサッカー日本代表メンバーを発表した。
26人のうち最大勢力は横浜F・マリノスから招集された選手たち。J1で首位を走るクラブからは最多の7選手が選ばれている。それに次ぐ勢力は同4位のサンフレッチェ広島に所属する6人だ。
マリノスから多くの選手を招集した背景について、森保一監督は「シンプルにいまJリーグでトップを走っているチームだということ。そして内容的にも強度の高い戦いをして、チームとしての戦術的な戦いをしながらも、個のクオリティを発揮している」と述べた。
指揮官の古巣である広島についても「攻守共に非常アグレッシブな姿勢が見えている中、チーム戦術としてもいい戦いをしていて、個の輝きを放っている選手たちを招集させてもらいました」と説明する。
3位の川崎フロンターレからもDF谷口彰悟、DF山根視来、MF脇坂泰斗の3人が選ばれるなど、上位陣からは軒並み複数の選手がメンバー入りしている。だが、そんな中で2位の鹿島アントラーズからは1人も招集されていない。
ベルギー1部のセルクル・ブルッヘへ移籍が決まったFW上田綺世は国内組のみで臨むE-1選手権に招集できなくなった。それでもリーグ戦で7得点を挙げているFW鈴木優磨や、中盤で存在感を発揮するMF樋口雄太などの招集が期待されていた中で、鹿島からゼロ人。一体なぜだろうか。
森保監督は次のように説明する。
「鹿島も非常にインテンシティの高い、攻守共にアグレッシブないいサッカーをしていると思っています。鹿島の選手たちも候補として数名をリストアップさせてもらいながら試合を見てきました。実際にこのタイミングで移籍であったりという理由等々ありまして、選べなかったところはあると思います」
レネ・ヴァイラー監督率いる鹿島がチームとして日本代表とマッチしない戦い方をしているからではない。あくまで選手個々で見た時に、選出に至らなかったという。一方、マリノスや川崎、広島には夏に移籍する選手がいないなど、招集に障害となる要素がなかった。
今回のE-1サッカー選手権は、今年11月に開幕するカタールワールドカップ本大会に向けて国内組の選手たちがアピールできる最後のチャンスになる。今夏から海外組となった上田は森保ジャパンで一定の評価を獲得しているが、彼を除く鹿島の選手たちはカタールワールドカップ出場がかなり厳しくなったと言えるかもしれない。
(取材・文:舩木渉)