W杯迫る中での移籍にはリスクもある

今夏の移籍市場で目立っているのが若手ブラジル人アタッカーの移籍だ。

FWガブリエウ・ジェズスはマンチェスター・シティからアーセナルへ、ハフィーニャはリーズ・ユナイテッドからバルセロナへ、リシャルリソンはエヴァートンからトッテナムへと移籍した。さらに最近はアヤックスFWアントニーにもリヴァプールを含むビッグクラブが接触を試みているとされており、セレソンに名を連ねる若手アタッカー大移動の夏となっている。

やはり気になるのは4か月後にワールドカップ・カタール大会が控えていることだろう。今もセレソンではネイマールが主役だが、その脇を支える若手アタッカーたちも重要だ。

かつてレヴァークーゼンなどでプレイしたブラジル人FWマルキーニョス氏は、ブラジル『UOL』に対してネイマールの負担を軽減させることが優勝のカギと話す。

「ネイマールのワールドカップ優勝を本当に願っている。だが、そのためにもチームはネイマールへの責任を少なくしなければならない。責任を分け合わないといけないんだ。彼は素晴らしい選手だが、全員で責任は分け合わないとね」

前述したジェズス、ハフィーニャ、リシャルリソンらはその候補者たちだが、新天地でスムーズに結果を残せるだろうか。特にハフィーニャとリシャルリソンはステップアップの移籍となり、ポジション争いも楽ではない。

中堅クラブのリーズでキングだったハフィーニャも、バルセロナではそうもいかない。指揮官シャビ・エルナンデスの哲学を早急に理解しなければ、ポジションを勝ち取れないだろう。

リシャルリソンの場合はソン・フンミン、ハリー・ケインと強烈なライバルがいるため、最初からスタメン確約とはならないはず。地道にアピールしていくしかない。

またアントニーもアヤックスを去るならば、ステップアップの移籍となる可能性が高い。こちらもスタメン争いやビッグクラブ特有のプレッシャーなど適応は簡単ではないはずだ。

仮に今夏の移籍組が新天地で躓くようなことがあれば、代表チームにも影響を与えるかもしれない。若手アタッカーのステップアップは嬉しいことだが、今夏の大移動は上手くいくのか。代表監督チッチも新天地での動向が気になるところだろう。