元日本代表指揮官のヴァヒド・ハリルホジッチが、モロッコ代表監督の座を退くことになるようだ。現地8月11日付けで仏紙『L'Equipe』が報じている。

 2015年から18年まで日本代表の監督を務めたハリルホジッチは、ロシア・ワールドカップ出場に導いたものの、開幕2か月前に解任。その後はフランスのナントを経て19年にモロッコ代表の監督に就任。今年11月に開幕するカタールW杯へチームを導くことに成功していた。

 しかし、同紙によればハキム・ジィエフら一部の主力選手をチームから追放したことなどをきっかけに、モロッコ・サッカー連盟と指揮官が対立。昨年にその対立が表面化した際に解任報道が出たが、今回は「退任に向けて確かに交渉を進めている」と伝えている。
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「コートジボワール代表として出場するはずだった2010年のW杯、18年に日本代表として出場するはずだったW杯から続く、呪いのようなものだ。最高の大会への出場権を得たにもかかわらず、その場に立つことが許されないハリルホジッチは、モロッコ代表としても、同じ不幸を経験しようとしている。

 70歳のフランス系ボスニア人は現在、フイージ・レクジャア会長と去就について交渉している。会長はハリルホジッチが就任して以来、ずっと対立してきたチェルシーのジィエフの復帰をファンに約束している。この軋轢こそが、ハリル監督の退任をほぼ確実にするものとなる要因となっている」

 また、後任にはモロッコのクラブを率いているワギド・レグラギ氏が浮上しているようだ。

 ちなみにこの報道に衝撃を受けたブラジル紙『LANCE!』は「ハリルの悲劇再び、いや三度だ」と嘆き、セルビア紙『MUNDO』は「カオスとしか言いようがない!」と驚きを以って報じている。今後の動向が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部