今月25日にグループステージの組み合わせ抽選会が行われ、来週には開幕を迎える世界最高峰の戦い、チャンピオンズリーグ(CL)。昨シーズンは“白い巨人”ことレアル・マドリードが14度目の欧州制覇を達成したが、果たして今シーズンはどのクラブがヨーロッパの頂点に輝くのか?
データ会社『FiveThirtyEight』のスーパーコンピューターが独自のプログラムで導き出した確率で、グループステージ(GS)を突破するチームと最終的な優勝予想を見てみよう。(※確率は8月28日現在のもの)
[写真]=Getty Images
※各グループのクラブ名表記は突破確率順
■グループA (リヴァプール、アヤックス、ナポリ、レンジャーズ)
A組は、やはり前回大会ファイナリストのリヴァプールが本命視されており、2位以内に入ってグループを突破する確率は「81%」。さらに1位通過の確率は「53%」となっている。続いてアヤックスが突破確率「61%」で2番手、ナポリが「39%」で3番手となっている。プレーオフを勝ち上がって12シーズンぶりのCLグループステージ進出を果たしたスコットランドのレンジャーズは「20%」と苦戦が予想される。
■グループB (アトレティコ・マドリード、ポルト、レヴァークーゼン、クラブ・ブルッヘ)
グループBは完全なる三つ巴の戦いが予想されており、グループステージ突破の確率はAマドリードが「65%」、ポルトが「59%」、レヴァークーゼンが「52%」と見られている。今大会のグループステージで、3チームも突破確率が5割を超えているグループはB組とE組の2つだけ。クラブ・ブルッヘは残念ながら「25%」でGS敗退が濃厚と見られている。そのクラブ・ブルッヘも、1977-78シーズンのチャンピオンズカップで準優勝しているため、このB組は今大会のGSで唯一、4チームとも決勝進出経験がある。
■グループC (バイエルン、バルセロナ、インテル、プルゼニ)
今夏バイエルンからバルセロナに移籍したポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキがいきなり古巣対決を迎えるグループCは、2位争いに注目か。3強構図(バイエルン、バルセロナ、インテル)に思えそうだが、バイエルンが頭一つ抜け出しており突破確率は「89%」。続いてバルセロナの「63%」、インテルの「45%」となっている。ちなみにプルゼニのGS突破の確率は、今大会最も低い数値となっており、100回やって2回しか勝ち上がれない「2%」だ…。
■グループD (トッテナム、スポルティング、マルセイユ、フランクフルト)
MF長谷部誠とMF鎌田大地を擁するフランクフルトとMF守田英正が所属するスポルティングの“日本人対決”にも注目のD組は、最も実力が拮抗したグループと呼べるだろう。GS突破の最有力はイングランドのトッテナムで「76%」。続いて昨シーズンのCLで決勝トーナメントに進出しているスポルティングの「56%」。その下に「37%」のマルセイユと「32%」のフランクフルトが控える構図となっている。フランクフルトも4番手としては今大会最高の確率を保っており、どこが突破してもおかしくなさそうだ。
■グループE (チェルシー、ザルツブルク、ミラン、ディナモ・ザグレブ)
E組は完全に“3強1弱”と考えて良いのだろう。最有力は突破確率「70%」のチェルシーだが、ドイツのザルツブルクも「61%」で肉薄しており、3番手のミランでも「56%」と十分に決勝トーナメント進出を狙える状況にある。こうしたグループは1つの取りこぼしが禁物のため、第1節から目が離せない。ちなみに初のCLグループステージ突破を目指すディナモ・ザグレブは「12%」のため、今回も敗退を余儀なくされるか…。
■グループF (レアル・マドリード、ライプツィヒ、セルティック、シャフタール)
日本代表のFW古橋亨梧やFW前田大然を擁するセルティックがヨーロッパ王者に挑むF組は、2位争いに注目だろう。前回覇者のレアル・マドリードが突破確率「81%」で抜け出しているため、残る1枠をライプツィヒ(65%)とセルティック(42%)が争う展開が予想される。鍵を握るのは、その両者が相まみえる第3節(10月5日)と第4節(10月11日)の連戦だろう。一方で、主力の流出が相次ぐウクライナのシャフタールは「12%」と苦戦必至か。
■グループG (マンチェスター・C、ドルトムント、セビージャ、コペンハーゲン)
コペンハーゲンを除いた“3強”に思えるが、その3チームの中にも明確な序列があるようだ。悲願の初欧州制覇を目指すマンチェスター・Cは、GS突破の確率が驚異の「95%」。今回のGSで最高確率を誇っており、余程のことがない限り10シーズン連続の決勝トーナメント進出は堅いはず。2番手はマンチェスター・Cの新エース、ノルウェー代表FWアーリング・ハーランドの古巣であるドルトムントで「63%」。そしてセビージャの「33%」、コペンハーゲンの「9%」と続いている。
■グループH (パリ・サンジェルマン、ベンフィカ、ユヴェントス、マッカビ・ハイファ)
H組では、やはりパリ・サンジェルマン(PSG)「94%」が大本命と見られている。そして彼らに次ぐ2番手につけるのは、イタリアのユヴェントスではなくポルトガルの名門ベンフィカ「65%」だ。一方、8シーズン連続で決勝トーナメントに進出しているユヴェントスは「38%」でGS敗退が予想される。そしてマッカビ・ハイファには、C組のプルゼニに次いで今大会2番目に低い「3%」という絶望的な数字を付けられている。
■優勝予想
ベスト16からはトーナメント方式なので、何が起きてもおかしくないが、スーパーコンピューターの弾き出した確率が正しければ、ベスト8にはイングランド勢が4チームとも残るそうだ。さらに先を見ると、ベスト4の顔触れはバイエルン、マンチェスター・C、PSG、リヴァプール。そして来年6月10日のイスタンブールでの決勝戦は、バイエルンとマンチェスター・Cの対戦となり、バイエルンがミランに並ぶ通算7度目の欧州制覇を果たすようだ。
優勝確率を上から順番に見ると、バイエルン(21%)、マンチェスター・C(18%)、PSG(13%)、リヴァプール(11%)、レアル・マドリード(6%)、バルセロナ(4%)、アヤックス(4%)、チェルシー(3%)、トッテナム(3%)となっている。
王者レアルは5番手に甘んじているが、昨シーズンは開幕前の6番手予想から頂点まで上り詰めており、今シーズンも再び“下剋上”で15度目の優勝を果たす可能性もある。もちろん、その他のチームにもチャンスはあるはずだが、9番手のトッテナムよりも低い確率のチームが優勝することは考え難いかも…?
(記事/Footmedia)