【プレミアリーグ】マンチェスター・ユナイテッド3-1アーセナル(日本時間9月5日/オールド・トラッフォード)

 これは柔道の試合ではなく、サッカーの試合だ。ただその光景はあまりにも「柔道」だった。ボールを奪われ相手をつかんで、後に回り込み、そのままグルンと “投げ技”……見事なまでの“一本”に、視聴者は「これはひどいw」「こっわ」と、戸惑いを隠せなかった。

【映像】「見事な一本!」に即、イエローカード

 開幕から5戦全勝と絶好調のアーセナルをホームに迎えたマンチェスター・ユナイテッドは35分、日本円で約137億円で移籍したブラジル代表・アントニーの鮮烈なデビュー弾で流れに乗ると、一時は同点を許したものの、66分にイングランド代表・ラッシュフォードのゴールが飛び出し、前傾姿勢となったアーセナルを突く形でリードを奪っていた。

 迎えた70分、マンチェスター・Uが中盤で組み立てようとパスを回していた場面だ。中央で受けたスコットランド代表・マクトミネイがボールを運ぼうとすると、アーセナルのブラジル代表・ジェズスに奪われてしまったことで立場が逆転する。

 ジェズスが攻撃に打って出ようとした瞬間、マクトミネイは勝負に出た。

 “ここで奪われたらまずい”という場面で繰り出す“プロフェッショナルファウル”だ。あえて相手をつかんでプレーを妨げ、自身は警告を受ける代わりにチームのピンチを未然に防ぐ選択だ。そこまでは、よくあること。ただ、少しやりすぎだ。マクトミネイは前方へ出ようとするジェズスの体に抱きつき、後ろに回り込み、引き倒す。リプレイが流れると、執拗なまでにジェズスに食らいつき、投げ飛ばすシーンが映し出されていた。

 このプレーにはABEMAの視聴者も「投げ技だろ」「これはひどいw」「こっわ」「柔道かよ」と辛辣なコメントが飛んだが、解説・戸田和幸氏は「イエローですけど、そこを突破されたらいけないという覚悟が見えますよね。ここは絶対行かしちゃいけない。当然、ファウルでイエローなのはわかってやっています」と、マクトミネイの意図を汲んだ。

 マクトミネイの“決死の投げ技”でピンチを免れたマンチェスター・Uは、75分にラッシュフォードがダメ押しゴールを放ち、3-1で逃げ切りに成功。日本代表・冨安健洋も奮闘するなか5連勝で首位を走っていたチームとのホームで迎えた大一番を制した。(ABEMA/プレミアリーグ)