アーセナルに所属するブラジル代表FWガブリエウ・ジェズスがレアル・マドリードのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールへ送ったダンスに称賛の声があがっている。

■ヴィニシウスへ送るダンス

 プレミアリーグ第8節、ブレントフォード対アーセナルが9月18日に行われた。アウェイのアーセナルが3−0の勝利を収めて首位キープとなった。

 アーセナルに所属する15歳MFイーサン・ヌワネリが途中出場でプレミアリーグ史上最年少デビューを果たした一戦。ウィリアン・サリバが前半17分にCKからヘディングシュートを放ちゴールネットを揺らした。そして28分、ジェズスがグラニト・ジャカからの浮き球のパスに頭で合わせてアーセナルが追加点を決めた。

 ジェズスはこのゴールの後のセレブレーションでダンスを披露。英メディア『デイリーミラー』などが試合後のジェズスのコメントを掲載している。ジェズスは試合後に「あのセレブレーションは僕の同胞・ヴィニシウスのためだ。(人種差別)はやめるべきだし、彼のためにダンスを送った」などと明かしている。

 また、ジェズスは公式ツイッターでダンスしている画像を公開し、「踊れ、踊れ」のコメントとともにヴィニシウスのアカウントをタグ付け。人種差別への抗議とヴィニシウスを励ました。この投稿には45万以上のいいねがついており、「みんながハッピーだ」や「あなたを愛している」などファンから称賛の声があがっている。

 なお、試合は後半開始早々にファビオ・ビエイラのゴールで追加点を奪ったアーセナルが3−0の勝利。アウェイで貴重な勝ち点3を奪い、首位キープとなった。日本代表DF冨安健洋は86分から途中出場を果たしている。

■人種差別問題

 事の発端は、スペイン・サッカーエージェント協会(AEFE)のペドロ・ブラボ会長がスペインのテレビ番組『エル・チリンギート』に出演した際、ヴィニシウスのゴール後のダンスについて言及。人種差別的な発言をして問題となった。

 その後レアル・マドリードも公式声明を発表し、人種差別に対して抗議する姿勢を示した。さらにレアルのみならず、ブラジル代表の選手たちやファンからもSNSで抗議するコメントもあがっている。AEFEのブラボ会長の失言で発展した人種差別問題。全世界から人種差別がなくなることを祈るばかりだ。