カタール・ワールドカップ(W杯)の開幕まで残り2カ月を切った中、日本代表は本大会前最後のトレーニングキャンプを行っている。

19日からドイツのデュッセルドルフに渡りキャンプをスタートさせた日本。ヨーロッパ随一の日本人コミュニティがあるデュッセルドルフで調整を続けている。

今回のキリンチャレンジカップ2022から、W杯に向けた新ユニフォームを着用。また、トレーニングウェアもシャツが黄色、パンツが青と新調され、新たな気持ちで臨むこととなる。

この大事な2試合では、アメリカ代表、エクアドル代表とアメリカ大陸の2カ国と対戦。ドイツ代表、スペイン代表を想定したヨーロッパ勢とは戦えないが、チームの完成度を高めるために貴重な時間としてもらいたい。

まずはアメリカ戦。残り2試合の大事な初戦で、どんな戦いを見せるだろうか。

◆システム変更の可能性も

【日本代表プレビュー】W杯に向けたラスト2戦、布陣は?1トップは誰?/vsアメリカ代表【キリンチャレンジカップ2022】


本大会は今大会は26名が登録可能となる中、森保一監督は30名を招集した。

ほとんどが海外組で構成された一方で、権田修一(清水エスパルス)、谷晃生(湘南ベルマーレ)、酒井宏樹(浦和レッズ)や長友佑都(FC東京)、谷口彰悟、山根視来(ともに川崎フロンターレ)に加え、7月のEAFF E-1サッカー選手権で結果を残した町野修斗(湘南ベルマーレ)、相馬勇紀(名古屋グランパス)を招集した。

さらに、この合宿を前にDF板倉滉(ボルシアMG)、FW浅野拓磨(ボーフム)が重傷のアクシデント。ともにW杯にギリギリ間に合うかどうかという状況であり、計算に入れられるか不透明。間に合わないとなった場合のことも想定して、見極めていく必要がある。

森保監督は「今回の活動を中心にということは間違い無いと思いますが、この活動を中心に選手選考をしていくプラス、まだまだリサーチしている選手もいます」とメンバー発表時にコメント。メンバー選考はまだ終わってはいない状況であり、選手としては結果を求めることに加えて、しっかりとトレーニングからのアピールが求められる。

その中で、試合に向けては「W杯に臨むにあたって[4-1-4-1(4-3-3)]、[4-2-3-1]、そして6月のガーナ戦の終盤には3バックを試した部分はオプションとして持っておきたい」と語り、システム変更も含めて、チームの形を模索していきたい考えがあるようだ。

いずれにしても、この2試合に加え、本大会前のカナダ代表戦の3試合のみ。しっかりとW杯に繋がる試合をしてもらいたい。

◆北中米カリブ海予選3位
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対するアメリカは、かつて北中米カリブ海では圧倒的な強さを誇り、メキシコ代表とともに力を持っていたが、2018年のロシア大会は予選敗退。そして、今大会の予選は苦戦し、カナダ、メキシコに次いでの3位で本大会への切符を手にした。

さらには日本とグループステージで同居するコスタリカ代表とも予選で戦っており、実力を測るには良い相手と言えるだろう。そのアメリカはコスタリカと1勝1敗の五分。互いにホームで白星をあげていた。

そのアメリカだが、選手たちには実力者が揃っている。10番を背負うチェルシーのクリスチャン・プリシッチや、ユベントスのウェストン・マッケニー、ドルトムントのジョバンニ・レイナ、ミランのセルジーニョ・デスト、アーセナルのマット・ターナーとヨーロッパでプレーする選手が多数いる。

中盤の構成は特に日本にとっては良いテストになりそう。欧州でプレーする選手たちをどう攻略するかは楽しみだ。

◆予想スタメン[4-2-3-1]
【日本代表プレビュー】W杯に向けたラスト2戦、布陣は?1トップは誰?/vsアメリカ代表【キリンチャレンジカップ2022】

GK:シュミット・ダニエル
DF:酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋、長友佑都
MF:遠藤航、守田英正
MF:伊東純也、鎌田大地、南野拓実
FW:古橋亨梧
監督:森保一

前日会見の言葉やトレーニングの内容から見ても、ここは久々に[4-2-3-1]というシステムを復活させると予想する。

日本の場合は、選手の立ち位置によって、[4-1-4-1(4-3-3)]と[4-2-3-1]を変えられるため、試合中にも相手の戦い方に合わせて変えてくることになるだろうが、スタートは[4-2-3-1]と予想する。

GKは予選を通して正守護神としてプレーした権田修一ではなく、6月の活動では悔しい思いをしたシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)と予想する。権田の力は十分わかっていること、そしてエクアドル戦で起用ができるため、ここはコンディション面も良いシュミット・ダニエルを試すと予想する。

そして4バックは右から酒井宏樹、吉田麻也(シャルケ)、冨安健洋(アーセナル)、長友佑都と予想する。酒井はケガの影響もあり久々の代表活動に。左サイドの長友とともに、久しぶりに逆の移動を行い、長距離移動を受けてどんなパフォーマンスを出せるかは気になるところだ。シーズンも終盤に差し掛かった中で、どんなパフォーマンスを出せるかは注目だ。

CBは吉田と冨安のコンビが久々に復活すると予想。クラブでは右サイドバックであり、今季は途中出場がメインとなっている冨安がCBでどんなパフォーマンスを出すか。ケガで離脱している板倉滉が良いパフォーマンスを見せていただけに、この辺りで改めて力を示したいところだ。

ボランチは2枚と予想。遠藤航(シュツットガルト)と守田英正(スポルティングCP)と予想する。言わなくとも2人の実力はすでにわかったもの。ただ、ダブルボランチではあまり組んでいないだけに、どういうコンビ、バランスを見せるのか。ただ、どちらも前にも出られるという特性があるだけに、2人でバランスを考えてポジショニングできるかが見たいところだ。[4-1-4-1]になれば、遠藤がアンカーに落ちることになるだろう。

そして2列目は、右に伊東純也(スタッド・レンヌ)、左に南野拓実(モナコ)、そしてトップ下に鎌田大地(フランクフルト)と予想する。右の伊藤はリーグ・アンに挑戦し、すでに結果も残している。高いレベルで揉まれた変化を見せたいところ。南野は苦しみながらも合流前に初ゴールを記録。良い気分で合流していると考えられ、代表戦できっかけを掴んでもらいたい。そして鎌田は今季も絶好調。フランクフルトの攻撃を牽引しており、しっかりと数字も残している。代表ではしっかりとその成果を見せられるか。インサイドハーフとしてプレーすることも問題ないため、[4-1-4-1]も可能となる。

そして1トップだが、ここは古橋亨梧(セルティック)と予想する。今回招集されているメンバーでは圧倒的な結果を残しており、最も調子が良いと言えるだろう。ただ、代表ではまだその片鱗を見せておらず、クラブでの好調ぶりを示したいところ。周囲に使われることも必要であり、ここで結果を残せればW杯も1トップのファーストチョイスになれるだろう。

クラブで結果を残している堂安律(フライブルク)や久保建英(レアル・ソシエダ)らも見たいところだが、途中出場になると予想。短い時間でどんなパフォーマンスを見せるのか。その辺りにも注目だ。

アメリカ代表戦は23日の21時25分から。W杯に向けた最後の2試合が幕を開ける。