スペイン&ドイツが落ちるシナリオはあるか

ワールドカップ・カタール大会で最も予想が難しい死の組はどこか。今大会は抽選終了時からバランス良く分かれたとの見方もあり、分かりやすい死の組は少ない印象ではある。

英『90min』がまず挙げたのは、グループB(イングランド、アメリカ、イラン、ウェールズ)とグループG(ブラジル、スイス、セルビア、カメルーン)だ。

この両グループに共通するのは、残り1枠を巡る戦いに注目が集まっている点にある。B組はイングランド、G組はブラジルが突破の最有力候補とされるが、残り1つは予想が難しい。3チームとも実力があり、特にB組の3チームはワールドカップでの経験がそこまで豊富というわけではない。何が起きるか予想しづらいグループだ。

それからもう一つ。同メディアが難しいグループに挙げたのが日本代表の入るグループEだ。この選出は意外かもしれない。E組はドイツ、スペイン、コスタリカ、日本が入っており、2強2弱とのイメージが強い。順当に考えればドイツ&スペインが突破すると予想する人が多いだろう。

しかし、同メディアはスペイン&ドイツがワールドカップ制覇以降苦戦している点に注目している。2010年大会を制したスペイン、2014年大会を制したドイツはその次の大会でグループ敗退の屈辱を味わっており、スペインは前回大会もベスト16で開催国のロシア相手にPK戦の末敗れるなど思うような結果が出ていない。それが顔ぶれの変わっている両チームの現世代にどれだけ影響するかは分からないが、今大会でもサプライズが起こる可能性が僅かにあると見られているようだ。

やや古い話にはなるが、コスタリカは2014年大会でイングランド、イタリア、ウルグアイと同居した死の組を突破するスーパーミラクルを起こしたこともある。8年前のこととはいえ、強豪相手の戦い方を知っているのは強みになるか。

日本もメンバーが大きく変わっているものの、前回大会ではベスト16でベルギーをあと一歩のところまで追い詰める大会No.1級のベストゲームを見せている。限りなく2強2弱に近いグループではあるものの、同メディアがコスタリカと日本に可能性を感じているのは面白い。

組み合わせを見る限り、ここまではっきりと2強2弱になっているのは日本の入ったE組、次いでD組(フランス、デンマーク、オーストラリア、チュニジア)だが、E組の方が2強2弱の構図がはっきりしている印象がある。ここでドイツかスペインが落ちるとなれば大会最大のサプライズグループとなりそうだが、日本とコスタリカはジャイアントキリングを起こせるのか。初戦のドイツVS日本、スペインVSコスタリカで波乱が起きれば、一気に面白いグループとなりそうだ。