攻撃力は4年前より上

ワールドカップ連覇を狙うフランス代表は、カタール大会で前線に誰を並べるだろうか。4年前のロシア大会からの変更点としては、まずレアル・マドリードFWカリム・ベンゼマの代表復帰が挙げられる。昨夏のEURO2020にもベンゼマは出場したが、現世界最高級FWの1人であるベンゼマの復帰によって単純な攻撃力は4年前より上と考えていいだろう。

さらにもう1人。バルセロナで華麗なる復活を遂げたFWウスマン・デンベレも興味深い。デンベレはロシア大会優勝メンバーで、当時も4試合に出場している。ただ、4年前と現在ではコンディションがまるで違う。バルセロナ指揮官にシャビ・エルナンデスが就任してからは別人のような働きぶりで、リーガ・エスパニョーラを代表するチャンスメイカーだ。

デンベレも代表で成功すべく燃えている。仏『RMC Sport』によると、デンベレが望んでいるのはムバッペとの共闘だ。

「もっと彼とプレイしたいね。フィールド上で僕たちは非常に良い関係にある。僕は彼のクオリティを理解しているし、彼も僕の能力を理解している。僕たちはこれまで一緒に4、5試合ほどプレイしてきたけど、感触は非常に良かった。ワールドカップ前にイングランドやイタリアと戦ったゲームを記憶している。スタメンに入るべくあらゆることがしたいと思っているよ」

デンベレは器用に両足を使いこなすアタッカーだ。右にデンベレ、左にムバッペ、センターフォワードにベンゼマなんて3トップも夢がある。積極的に仕掛けてくる両翼のムバッペとデンベレは対戦相手の脅威となるはずで、このトリデンテは世界最高クラスの破壊力と言っていいかもしれない。

フランス代表では他にもアントワーヌ・グリーズマン、クリストファー・エンクンク、オリヴィエ・ジルーらタレントが揃っており、代表監督ディディエ・デシャンには嬉しい悩みがある。最適な組み合わせをカタール大会本番までに固める必要があるが、この激しいサバイバルを勝ち抜くのは誰か。

今のところベンゼマとムバッペをスタメンから外すプランは想像しづらいため、デンベレ、グリーズマン、エンクンクのバトルとなるか。今の調子ならデンベレが他をリードする印象だが、ロシア大会の決勝トーナメントは2分間しか経験できなかったデンベレがカタール大会で主役となるのだろうか。