日本代表とアメリカ代表戦は、ドイツ・デュッセルドルフで行われた。どちらのチームにとっても、カタールワールドカップを前にした重要な一戦。実はその裏で、日本代表キャプテンの吉田麻也とサポーターの熱い裏話があった――。
デュッセルドルフは日本人が8000人以上住む街で、ヨーロッパ最大の日本人コミュニティがあるという。そのため、スタジアムには多くの日本人の姿があった。森保ジャパンの選手がウォーミングアップのためにピッチに姿を現すと、スタジアムの空気は一気に熱くなった。
そんな中で、響き渡る声援があった。それは「MAYA YOSHIDA!」と繰り返され、日本代表の22番に向けられたものだった。声を出しているのは現地に住んでいると思われる男性で、シャルケのユニフォームをピッチに掲げ、スタジアムのどこにいても聞こえるほどの声で、吉田を鼓舞した。
ちょうど、日本代表の先発メンバーの前にいたこともあり、また、あまりに大きな声だったことと、その声援が止まらなかったことで、他の選手も思わず笑ってしまうほど。吉田はサムアップで応えたが、それでも男性は声を発し続けた。
吉田はその男性に何度も手を振るなど応えたが、男性は応援を止めない。今季からブンデスリーガでプレーする吉田だが、サポーターの心をしっかりと掴んでいるようだった。
■「最高の選手と最高のサポーターで鼻血出た」
試合後、日本代表の選手はスタジアムを一周した。その際、吉田麻也は森保一監督と話をしていたため、他の選手を追いかけるような形になった。しかし、そのシャルケファンの前を通る際、看板を乗り越えてその近くへ。そして、熱く握手した。
キャプテンの熱い行動に周囲の観客も盛り上がる中、シャルケファンは吉田にユニフォーム交換を要求。それに応えて背番号22が刻まれたユニフォームを男性に渡すと、男性は自分が持っていたシャルケのユニフォームを渡したのだ。2人の熱い気持ちが交錯した瞬間だった。
最初の応援から、まさかのユニフォーム交換まで時間にして154分。男性は応援を続け、吉田はそれに応えた。このやり取りに、SNS上では以下のような反応があった。
「最高に良い話」
「最高すぎる」
「麻也 マジ熱い」
「みんなあたたかい」
「想いは伝わる 胸熱!」
「こーゆーの最高」
「最高の選手と最高のサポーターで鼻血出た」
カタール本番まであとわずか。日本代表は、国籍を超えたサポーター・ファンとともに、道を切り拓く。