11月23日にカタール・ワールドカップの初戦、ドイツ戦を控える日本代表は、17日に隣国のUAE・ドバイでカナダとの最後の強化試合を戦う。

 その一戦を前に森保ジャパンは苦しい台所事情を強いられている。脳震盪からの回復プログラムの途上にある遠藤航、左太ももに違和感を抱く守田英正は、チームとともにドバイには移動せず、大会中の拠点となるドーハに残留。さらに発熱の影響で三笘薫の合流も遅れており、レギュラーボランチコンビと貴重なジョーカーを欠いての試合なる。

 さらに川島永嗣、堂安律、鎌田大地、遠藤航、守田英正、南野拓実、伊東純也が現地入りしたのは14日夜で、三笘を除く25人のメンバーがようやく顔を揃えたのは15日のトレーニングから。そこから2日でカナダ戦を迎えるだけに、まずは各選手のコンディションの確認が最優先になるのだろう。特に負傷から復帰した板倉滉、浅野拓磨らの状態はチェックしたいはず。

 森保一監督は「冨安(健洋)、遠藤、守田が明日の試合には絡みません。三笘も合流していません」と説明し、ボランチに関しては「田中碧と柴崎(岳)が先発することになると思います」と明言。そして、「板倉と浅野は明日、スタートから出てもらおうと思っています。プレーできる状態というのは練習で確認できているので、明日は状態を見たい」とも話している。
 そのスタメン確定と呼べる4人に加え、ひと足早くカタール入りしていた国内組がカナダ戦のメインメンバーになりそうだ。

 GKは権田修一とシュミット・ダニエルで悩むところだが、ここは森保ジャパンの守護神を務めてきた権田か。交代枠は6人。ふたりを45分ずつ起用する手もあるのかもしれない。

 最終ラインは右から酒井宏樹、板倉、吉田麻也、長友佑都の並びを予想。右SBは山根視来も控えるが、負傷がちで9月のドイツ遠征も出場時間が限定的だった酒井の状態を改めてチェックする可能性が挙がる。

 CBは谷口彰悟と板倉を組ませる手も考えられる。ちなみに谷口は試合前日に、注目されたフェイスガードは付けずにプレーする意向を示していた。
 中盤は4-2-3-1で考えるなら指揮官が説明した通り、柴崎と田中のボランチコンビとなる。

 読み切れないのが2列目。森保監督がこちらも先発起用を明言した浅野をCFに入れるか、もしくはサイドに配置するか。

 9月のドイツ遠征でのアメリカ戦では脚力を生かしたプレッシングを何度も繰り返せるCF前田大然を守備のスイッチ役に前からハメにいくスタイルが機能。この形を浅野をCFに据えた場合でも実行できるとチェックする、もしくは浅野をサイドに置いて前田と“ダブル”チェイシング行なわせるか、指揮官の判断も興味深い。
 加えて鎌田、伊東らは合流したばかりで無理をさせないはず。トップ下では南野拓実、右サイドでは堂安律らも先発候補に挙がる。CFでも上田綺世、町野修斗を組み込んだ形も見ておきたいはず。

 各選手のコンディション、調子も見据えながら指揮官にはバランスの良い采配が求められそうだ。 
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)

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