元川崎フロンターレ組が代表を支えている
2-0でアメリカ代表を倒した日本代表。欧州5大リーグでプレイする選手を多く保有するアメリカ相手に完勝を収めており、ハイプレスとショートカウンターを軸とした戦術は森保ジャパンにマッチしていた。
このゲームで輝きを放ったのが、遠藤航と守田英正のダブルボランチだ。アジア最終予選では[4-3-3]のアンカーとインサイドハーフで起用されていた2人で、アメリカ戦では[4-2-3-1]のダブルボランチとしてピッチに立つ。
両者ともに攻守両面で輝ける理想的なボランチであり、守備面では強度の高さが光った。『FOTMOB』によると、守田はタックル成功率100%、遠藤は3回のインターセプトを成功させている。
ボールを持つビルドアップでは彼らと吉田麻也、冨安健洋の2人のCBで四角形を作り、アメリカ代表のプレッシングを無効化する。遠藤と守田は常に互いのポジションを確認しており、寄せられてもダイレクトで次につなぐことで効果的にボールを前進させる。
とくに守田のキープ力は素晴らしかった。どのエリアでもボールを失わず攻撃を前進させることができ、ブラジルメディア『ge.globo』では「守備だけでなく攻撃につなげるリンクマンとして躍動。攻撃をサポートしパスでチャンスを作った」と称賛され、アメリカ戦でのMOMに選出されている。遠藤との連携も評価されており、彼らの貢献度は大きい。
このダブルボランチは日本の武器になるだろう。クオリティが高く、彼ら以上のダブルボランチは世界を見渡してもそう多くない。だが負担が大きいポジションを彼ら2人で戦い抜くのは難しく、27日のエクアドル戦では他選手の起用も見たい。
一番に名前が挙がるのが、田中碧だろう。アジア最終予選では遠藤、守田と中盤3枚でトリオを形成しており、評価を高めている。所属するデュッセルドルフではダブルボランチとして出場機会を増やしており、今季すでに8試合に出場して1アシストと数字も残している。ビルドアップでの貢献度が高く、バックアッパーとして期待できる。
ワールドカップ・カタール大会でのグループステージ3試合だけを見るなら3人でも問題なさそうだが、主力の怪我を想定するともう1人実力者が欲しい。候補は柴崎岳、旗手怜央、原口元気になる。
注目は旗手だ。セルティックではダブルボランチの一角として起用されており、CLレアル・マドリード戦では素晴らしい活躍を披露している。中盤のオーレリアン・チュアメニやルカ・モドリッチらのプレッシャーにも耐えられる強心臓を持っており、エクアドル戦では旗手のボランチ起用に期待だ。
前田大然を中心にハイプレスを仕掛け、遠藤、守田のダブルボランチでボールを回収する。アメリカ戦はこの形がハマっており、日本が有利に試合を進められていた。この強度をグループステージ3試合で継続するには3人、もしくは4人の中盤戦士が必要であり、エクアドル戦では田中、旗手の元川崎組の起用に注目したい。