チャンスはありそうだ
2002年に開催されたワールドカップ・日韓大会はブラジルがドイツを破り、W杯を制した。しかしその後の大会ではイタリア、スペイン、ドイツ、フランスとヨーロッパ勢が大会を支配している。2014年W杯・ブラジル大会でアルゼンチンが決勝まで進んだが、ドイツに敗れてしまった。
西『MARCA』は今回のW杯・カタール大会ではそんなヨーロッパ勢の支配が終わる可能性があると主張している。
それは直前に行われているUEFAネーションズリーグでの各国の不調だろう。前回のロシア大会の王者であるフランスはクロアチア、デンマーク、オーストリアと同じ組となったが、本調子が出ていない。今回はカリム・ベンゼマが不在とはいえ、キリアン・ムバッペをはじめタレントは揃っており、勝たなければならないチームだ。
2014年ブラジル大会王者のドイツも勢いがなく、5試合で1勝3分1敗と白星が少ない。第4節イタリア戦では5-2と圧勝しており、得点力がないわけではないが、直近のハンガリー戦ではクリーンシートに抑えられるなど、波が激しい。得点源となれる人物がおらず、本戦でも苦戦する未来が見える。
南アフリカ大会を制したスペイン代表は前述しか2カ国ほど悪い成績ではないが、5試合を終えて2勝2分1敗と最終節ポルトガル戦に勝たなければ4強入りはできない。とくに前線は軒並み不調であり、スイス戦の先発フェラン・トーレス、マルコ・アセンシオ、バヴロ・サラビアの3トップは所属チームで出番を得られていない。
2006年大会の王者はそもそも今回のカタール大会は不参加であり、直近の4大会で好成績を残した欧州の強豪国すべて不調に陥ってしまっている。
対戦相手のレベルも考慮する必要はあるが、欧州のトップチームに対抗できる南米のブラジルとアルゼンチンは好調を維持している。ブラジルは14戦無敗、アルゼンチンに至っては34試合負けていない。両チームを率いるエースはパリ・サンジェルマンで共に戦っており、ネイマールはリーグ戦で8ゴール7アシスト、リオネル・メッシは4ゴール7アシストの大暴れだ。
20年ぶりにヨーロッパ勢以外が優勝する可能性が見えてきた今回のカタール大会。勢いがあるのはブラジルとアルゼンチンの南米勢であり、史上初となる冬のW杯を制するのはどこになるのだろうか。