サッカー日本代表DF冨安健洋(23)はFIFAワールドカップ・カタール大会開幕まで2カ月を切る中、アーセナルでレギュラーを奪われている現状に言及。同選手のコメントをきっかけに現地ではアーセナル退団の可能性が取りざたされている。そんな中、元イングランド代表選手のガブリエル・アグボンラホール氏(35)がアーセナル退団報道に否定的な見解を示すとともに、冨安健洋に奮起を促している。

 冨安健洋は今年1月以降、右ふくらはぎなど複数箇所を負傷により戦線離脱。今季もコンディション不良により開幕から出遅れると、プレミアリーグ第2節・レスター戦以降はリーグ戦全試合で途中出場。右サイドバックのレギュラーをイングランド代表DFベン・ホワイト(24)に奪われる中、今月1日のプレミアリーグ第9節・トッテナム戦では89分からピッチに立っていた。

 そんな冨安健洋は先月下旬、英紙『デイリーエクスプレス』の取材に対して「このリーグで求められるものは非常に高いので、現状には満足していません」

 「プレミアリーグでスタメンに選ばれている選手を見れば、そこで何が求められているかが分かると思います。自分のポジションを取り戻せるように頑張ります」とコメント。現地ではこのコメントが「アーセナルへの不満」と受け止められており、今季終了後までの退団の可能性が報じられている。

 そんな中、アグボンラホール氏は英メディア『フットボール・インサイダー』のインタビューに対応。冨安健洋の現状について「冨安健洋はこれまで怪我をしてきたし、怪我が完治した後に監督がすぐに復帰させるとは限らない」

 「ベン・ホワイトは右サイドバックで問題なくプレーしている。彼は傑出した選手ではないが、ひどい選手でもない」と、ライバルのホワイトと比較した上で自身の見解を述べている。

 そして冨安健洋がレギュラー再定着に至っていない理由を聞かれると「もしあなたが監督として試合に勝っている状況ならば、何も変えるつもりはないだろう。アーセナルが連敗しているときに、守備陣を入れ替えることは考えられる。冨安健洋は良いパフォーマンスを見せなければならないんだ」とコメント。同選手により一層の努力を促した。

 また『フットボール・インサイダー』はアグボンラホール氏のコメントをうけて「アグボンラホール氏は、冨安健洋のアーセナル退団報道に否定的な見解を示した。冨安の不満がまだ本当の不満に変わることはないだろうと考えている」と綴っている。