W杯出場国との対戦成績に疑問も
今ではFIFAランクも14位まで上がり、ワールドカップ・カタール大会でのダークホース候補の1つと注目されるアメリカ代表。欧州5大リーグで活躍する選手も多く、若手タレント軍団と評判だ。
しかし、9月の親善試合で日本代表に0-2で敗れ、続くサウジアラビア代表との一戦もスコアレスドローで終えたことから嫌な空気が流れつつある。テストマッチとはいえ、日本戦は枠内シュート0、サウジアラビア戦も2本だけだった。
さらに問題視されているのがワールドカップ出場国との対戦成績だ。日本とサウジアラビアも今年のカタール大会に出場するが、アメリカはカタール大会出場予定チームとの直近7試合で1勝しか挙げていない。
今年1月の北中米カリブ海予選・カナダ戦(0-2)、3月の同予選メキシコ戦(0‐0)、コスタリカ戦(0-2)、6月に行われたモロッコとの親善試合(3-0)、ウルグアイ戦(0-0)、そして9月の日本戦とサウジアラビア戦だ。
得点を奪っているゲームがモロッコ戦のみとなっているのも気がかりだ。予選ではホンジュラス代表を3-0で撃破したり、6月にグレナダを5-0で撃破したりと、快勝しているゲームもある。しかしどちらもワールドカップには出場しない国で、ワールドカップ出場レベルの相手とどこまで戦えるのか分かりづらい。
米『Bleacher Report』が日本戦後のファンの声を紹介していたが、やはり2018年から代表を指揮するグレッグ・バーホルターの手腕を疑問視する意見が増えている。
「バーホルターが常にやりたいプレイがこれだ。機敏で積極性があり、ボールを素早く動かす戦いだ。待て、ブルーは日本の方だったか?」
「バーホルターの若手発掘やチーム作りは良いが、戦術面は見ない方がいいだろう」
「願わくば日本戦の結果でアメリカサッカー協会が目を覚ますことを望む」
つまり、日本が見せたフットボールこそアメリカが理想とする戦いだったということだ。興味深いタレントが次々と出てきているのは確かだが、タレントを並べるだけで勝てる単純なスポーツでないのも事実だ。果たしてバーホルターの中にワールドカップを勝ち抜く明確なプランはあるのか。やや重い空気で本番を迎えることになりそうだ。