11月20日(日本時間21日)に開幕する「FIFA ワールドカップ カタール 2022」。ABEMAで全64試合が無料生中継されることを記念した番組『FIFA ワールドカップ歴代ベストゴールSP』(ABEMAで配信中)。キーワードで見るワールドカップスーパーゴールでは、親友に捧げた初優勝の決勝ゴールを特集した。
【映像】イニエスタ、亡き親友に捧げたメッセージ
2010年・南アフリカ大会決勝オランダ対スペイン。スコアレスで迎えた延長後半11分、ゴール前のチャンスに右足一閃で決めたのは、現在J1ヴィッセル神戸でプレーするスペイン代表MFアンドレス・イニエスタだ。
母国の初優勝を手繰り寄せるゴールを決めた直後、イニエスタは駆けながらユニフォームを脱いだ。アンダーシャツに書かれていたのは、「DANI JARQUE SIEMPRE CON NOSOTROS(ダニ・ハルケ 僕たちは いつも君といる)」という手書きのメッセージ。
ダニ・ハルケ(ダニエル・ハルケ)は、スペイン・バルセロナ出身の元サッカー選手で、スペインRCDエスパニョールに所属していた09年8月、心臓発作で26歳という若さで急死している。イニエスタとは世代別U21代表で共に戦い、しのぎを削ったライバルであり親友だった。あまりに突然のハルケの死に、イニエスタは精神的に追い込まれた時期があったことをのちに告白している。
ハルケの死を乗り越えスペインをワールドカップ初優勝へ導くゴールを決めたイニエスタが、大舞台で親友へ送ったメッセージは世界中に感動を与えたのは言うまでもない。ちなみに、試合中にユニフォームを脱ぐ行為は警告対象であり、イニエスタには直後にイエローカードが出されたが、それも覚悟のうちだったようだ。