ことし11月20日に開幕する「FIFA ワールドカップ カタール 2022」。ワールドカップを制覇した各国チームと選手たちを追うNetflixのドキュメンタリー番組『チャンピオンへの軌跡』(エピソード6「アルゼンチン:運命の導き?」)において、W杯におけるアルゼンチン代表の歴史を振り返ることができる。
マラドーナやメッシといった世界最高の選手たちが活躍してきたアルゼンチン代表。ワールドカップにおいては、1978年アルゼンチンW杯、1986年メキシコW杯で2度優勝を飾っている。
1986年メキシコW杯でのアルゼンチンの優勝に大きく貢献したのが、“神の子”と呼ばれた天才、ディエゴ・マラドーナだ。準々決勝のイングランド戦では、物議を醸した“神の手”ゴールや、5人抜きドリブルといった超人的なプレーを披露して世界を熱狂させた。当時のアルゼンチン代表は、マラドーナはもちろん、チーム全体も強かったと高く評価されている。1990年イタリアW杯では、イタリア対アルゼンチンによる準決勝がマラドーナを崇拝するナポリで開催され、観客の半分がマラドーナ(アルゼンチン)を応援するなど、後世に語り継がれる数々の伝説を残した。
そのマラドーナの後継者とも呼ばれるリオネル・メッシは、2006年ドイツW杯でアルゼンチン代表における史上最年少の18歳でデビューを果たし、2010年南アフリカW杯ではマラドーナ監督と共に優勝を目指した。2014年ブラジルW杯では自身がキャプテンとしてチームを率いたが、ドイツとの決勝で敗れて優勝を目前で逃している。
「サッカーはチームでやる。マラドーナ、メッシでも、多大な影響力はあるが、1人では勝てない」と俳優エドゥアルド・ブランコは語る。彼らのような偉大な選手を擁するアルゼンチンでもW杯で優勝することは困難なのだ。「優勝できなかったら奇跡となる。過去15年で世界一の選手を擁しながら勝てない……という奇跡。世界一の選手でも1人では足りない。W杯に勝つには3、4人必要だ」と作家エドゥアルド・サチェリは語っている。