ことし11月20日に開幕する「FIFA ワールドカップ カタール 2022」。ワールドカップを制覇した各国チームと選手たちを追うNetflixのドキュメンタリー番組『チャンピオンへの軌跡』(エピソード8「スペイン:変身」)において、W杯におけるスペイン代表の歴史を振り返ることができる。

かつてのスペイン代表は、“無敵艦隊”とも称される優れたチームのはずなのに重要な大会で勝てず、準々決勝敗退という潜在意識がはたらく「準々決勝病」だと呼ばれていた。だが、1992年スペインで開催されたバルセロナオリンピックのサッカーで金メダルを獲得し、2008年ユーロ(UEFA欧州選手権)で優勝したことで、徐々に自信をつけていく。2008年ユーロで優勝したことは「意義が大きい。長年の代表チームの呪いを断ち切った」と元スペイン代表のシャビ・アロンソは振り返る。

ちょうど2005年〜2006年ごろにスペイン人選手が海外リーグ(特にイギリスのプレミアリーグ)へ出始めたことで、世界のトップリーグで長くプレーしてきた選手たちの精神構造が変わったこともチームにいい影響を与えたと作家ジョン・カーリンは語る。

シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、シャビ・アロンソらが揃ったスペイン代表は、2010年から2012年にかけて黄金期を迎える。2010年南アフリカW杯で悲願の初優勝を果たし、さらに2012年ユーロでも優勝したのだ。

2010年南アフリカW杯の決勝では、体当たりで来るオランダを相手に苦戦したスペインだが、イニエスタが決勝ゴールを決めて世界制覇を成し遂げた。シャビ・エルナンデスは「私の選手生活の中で一番緊張した」と明かしながら「あの感激は二度と味わえないだろう」と振り返る。シャビ・アロンソは「興奮というより苦しい決勝だった」と振り返っている。

「ユーロとW杯制覇。スペインが欧州と世界でベストであること、そしてサッカーのベストであることが証明された」と社会学者のラモン・リョピス・ゴイグは彼らを賞賛する。当時のスペイン社会が苦境にあったことから、「経済危機の中でスペイン代表の勝利が社会の救いになったかとよく聞かれるけど、新たな見方を可能にしてくれたと思う。少なくともサッカーでは一番だという見方を……」と考えている。いまや大きな進化を遂げたスペイン代表に対してサッカー界の見方も変わったという。「スペインから偉大な選手が生まれるのは勝者のメンタリティが根付いているからだ」と考えられるようになっており、W杯においてもカタール大会に限らず「優勝候補であり続けるに違いない」と期待されている。
 

FIFA ワールドカップ カタール 2022 完全ガイド by ABEMA
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