リバプールとの大一番で今シーズンのプレミアリーグ初先発を果たしたアーセナルの日本代表DF冨安健洋が高く評価されている。

9日、プレミアリーグ第10節でアーセナルはホームにリバプールを迎えた。首位を守るためにはここまで調子が上がらないリバプールを倒す必要があるアーセナル。プレミアリーグでは2年間勝利していない相手だ。

この試合、ミケル・アルテタ監督は左サイドバックに冨安を起用。本職のスコットランド代表DFキーラン・ティアニーをベンチに置きながらの大胆采配だったが、冨安は期待に応えた。

エジプト代表FWモハメド・サラーとの対峙となった冨安だったが、サラーにはほとんど仕事をさせず。左サイドに鍵を掛けた。また、ビルドアップ時には中に入ってのプレーや左右の足を使ってのプレス回避など、本職ではない左サイドでも高いパフォーマンスを示した。

試合は、開始1分でガブリエウ・マルティネッリが先制ゴールを決めると、そこからは点の取り合いに。しかし、アーセナルはブカヨ・サカがPKを含む2ゴールの活躍を見せ、3-2で打ち勝ち、首位をキープした。

この試合で現地の選手採点では、1ゴール1アシストのマルティネッリが軒並み最高評価を受けることに。そして冨安はチーム内でも高く評価されている。

イギリス『スカイ・スポーツ』は7点(10点満点)、イギリス『フットボール・ロンドン』は6点(10点満点)の評価。「前半リバプールが一貫して右サイドから攻め込むのを止めるのに苦労した」と全体的に右サイド寄りだった相手の攻撃に触れた中、「彼の両足は、ビルドアップの際のプレス回避に有効だった」と冨安の特徴を評価した。

また、イギリス『イブニング・スタンダード』はチーム2位タイの8点(10点満点)を与え、「左サイドバックでの先発はサプライズだったが、日本代表選手は本当によくやっていた。モハメド・サラーを黙らせ、残り20分で交代させた」と、サラー封じに一役買っていたことを高く評価している。

さらにイギリス『サン』はマルティネッリに次ぐ2番目の評価の8点(10点満点)を与え、「モハメド・サラーに嗅覚を与えず、アルテタがキーラン・ティアニーの代わりに日本人を先発させるという大胆な選択を正当化した」と、本職をベンチに置いてまで先発させたアルテタ監督の期待に応えたとし、「他の相手に対し、彼は良い攻撃的な意図を示す必要があるが、マルティネッリが彼の前で躍動しており、今日はその必要がなかった」と、攻撃面は課題も、同サイドのマルティネッリが躍動できたことで問題なかったとした。

ヨーロッパリーグ(EL)では2試合連続フル出場で連勝に貢献した冨安。アルテタ監督の期待に応えられたと言えるリバプール戦だったが、今後はどこで起用されるのか注目だ。